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第2部 基本データと政策動向
第2節 ICTサービスの利用動向

2 電気通信サービスの提供状況・利用状況

(1)提供状況

ア 概況
(ア)電気通信サービスの加入契約数の状況

●固定電話の契約数は減少傾向にあるが、移動通信及び0ABJ型IP電話の契約数は一貫して増加

固定電話(NTT東西加入電話(ISDNを含む)、直収電話3及びCATV電話。0ABJ型IP電話を除く。)が減少傾向にある一方、移動通信(携帯電話及びPHS)及び0ABJ型IP電話は堅調な伸びを示している。また、050型IP電話は、近年横ばいで推移している。

移動通信の契約数は、固定電話の契約数の約6.4倍になっている(図表5-2-2-1)。

図表5-2-2-1 電気通信サービスの加入契約数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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(イ)ブロードバンド整備状況と利用状況

●超高速ブロードバンド利用可能世帯4率は2015年3月末時点において99.98%となっている

2015年3月末時点において、超高速ブロードバンド利用可能世帯数は5,594万世帯であり、利用可能世帯率は99.98%である。また、ブロードバンド利用可能世帯数5は5,595万世帯、利用可能世帯率は100%となっている(図表5-2-2-2)。

図表5-2-2-2 ブロードバンド基盤の整備状況の推移
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●固定系超高速ブロードバンド6利用率7は2016年3月末時点において56.5%となっている

2016年3月末時点において、固定系超高速ブロードバンドの利用率は56.5%である。また、固定系ブロードバンド8の利用率は68.3%となっている(図表5-2-2-3)。

図表5-2-2-3 固定系ブロードバンドの利用率の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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●移動系超高速ブロードバンド契約数は年々大幅に増加している

2015年度末の固定系ブロードバンドの契約数9は、3,781万(前年度比2.8%増)、移動系超高速ブロードバンド契約のうち、3.9−4世代携帯電話(LTE)は8,739万(前年度比28.9%増)、BWAは3,521万(前年度比80.9%増)となっている(図表5-2-2-4)。FTTHとDSLの契約純増数の推移をみると、DSLは純減傾向が続いている一方、FTTHは一貫して純増している(図表5-2-2-5)。また、近年BWAサービスの契約数が増加している(図表5-2-2-6)。

図表5-2-2-4 ブロードバンド契約数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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図表5-2-2-5 FTTHとDSLの契約純増数の推移(対前四半期末)
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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図表5-2-2-6 BWAアクセスサービスの契約数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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デジタル化されたケーブルテレビ施設は、テレビジョン放送サービスのほか、インターネット接続サービス及びIP電話サービスといういわゆるトリプルプレイサービスを提供する地域の総合的情報通信基盤となっている。ケーブルテレビ網を利用したインターネット接続サービスは、2015年度末時点で318事業者が提供し、契約数は、673万となっている(図表5-2-2-7)。

図表5-2-2-7 CATVインターネット提供事業者数と契約数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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イ 固定系音声通信
(ア)固定電話市場10

●固定電話(NTT東西加入電話、直収電話、CATV電話及び0ABJ型IP電話)市場における全加入契約数は緩やかな減少傾向

固定電話(NTT東西加入電話、直収電話、CATV電話及び0ABJ型IP電話)市場における全契約数は2015年度末時点で5,583万(前年度比0.6%減)であり、引き続き減少傾向となっている。

固定電話市場の全契約数が全体として減少傾向にある一方、0ABJ型IP電話は増加傾向にあり(前年度比8.0%増)、固定電話市場全体に占める割合も55.1%となっている。固定電話から0ABJ型IP電話を除いた契約数は2,508万であり、0ABJ型IP電話の契約数(3,075万)を下回っている(図表5-2-2-8)。

図表5-2-2-8 固定電話の加入契約者数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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また、加入電話及びISDNの事務用と住宅用それぞれの傾向をみると、事務用、住宅用の加入電話、ISDNともに加入契約数が減少している11図表5-2-2-9)。

図表5-2-2-9 NTT固定電話サービスの推移
(出典)NTT東西資料により作成
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(イ)公衆電話

●公衆電話施設数は一貫して減少

2015年度末におけるNTT東西の公衆電話施設数は、減少が続き、17.1万台(前年度比6.8%減)となっている。これは、携帯電話の急速な普及により、公衆電話の利用が減少していることが背景にある(図表5-2-2-10)。

図表5-2-2-10 NTT東西における公衆電話施設構成数の推移
(出典)NTT東西資料により作成
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(ウ)IP電話の普及

●IP電話の利用数は2015年度末で3,846万件であり、特に0ABJ型IP電話の増加傾向が顕著

IP 電話サービスは、インターネットで利用されるIP(Internet Protocol)を用いた音声電話サービスであり、ブロードバンド(インターネット)サービスの付加サービスの形態を中心に提供されている。IP 電話は付与される電話番号の体系の違いによって次の二つに大別される(図表5-2-2-11)。

図表5-2-2-11 IP電話の利用状況
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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A 050型IP電話

050番号を用い、インターネット接続サービスの付加サービスとして提供され、同じプロバイダもしくは提携プロバイダの加入者間の通話料は無料であることが多い。一方で、緊急通報(110、119等)を利用できない点や、通話品質の基準が加入電話に比べて低いといった点もある。2015年度末における利用数は、771万件となっている。

B 0ABJ型IP電話

0ABJ型IP電話は、加入電話と同じ0ABJ番号を用い、加入電話と同等の高品質な通話や緊急通報(110、119等)を利用できるなどの特徴がある。2015年度末における利用数は、3,075万件あり、増加傾向が顕著である。

ウ 移動系通信

●移動系通信の契約数は毎年増加。また、移動系通信の契約数に占めるMVNOサービスの契約数も増加傾向

2015年度末における移動系通信(携帯電話、PHS及びBWA)の契約数12は1億6,276万(前年度比3.5%増)である。純増数は、554万となっており、引き続き増加傾向である(図表5-2-2-12)。

図表5-2-2-12 携帯電話の加入契約数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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また、同契約数における事業者別シェア(グループ別)について、NTTドコモは43.6%(前年度比1.2ポイント増)、KDDIグループは28.9%(前年度比0.3ポイント増)、ソフトバンクグループは27.5%(前年度比1.5%減)となっている(図表5-2-2-13)。

図表5-2-2-13 移動系通信の契約数(グループ内取引調整後)における事業者別シェアの推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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移動系通信(携帯電話、PHS及びBWA)の契約数に占めるMVNOのサービスの契約数13は、1,269万(前年度比32.5%増)と増加傾向である(図表5-2-2-14)。

図表5-2-2-14 MVNO(MNOであるMVNOを除く)サービスの契約数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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エ 専用線等

●近年、国内専用線の回線数が減少する一方で、IP-VPNサービス及び広域イーサネットサービスの契約数は増加の傾向

2014年度末における国内専用サービスの回線数は、39.4万回線である。内訳は、一般専用(帯域品目)が22.4万回線、一般専用(符号品目)が2.3万回線といずれも前年度より減少している。高速デジタル伝送も前年度に比べ1.9万回線減少し、14.7万回線となっている(図表5-2-2-15)。

図表5-2-2-15 国内専用回線数の推移
(出典)総務省資料により作成
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国際専用サービスの回線数は、1,565回線である。全ての回線が主にデータ伝送、高速ファイル転送及びテレビ会議に利用されている中・高速符号伝送用回線14である(図表5-2-2-16)。

図表5-2-2-16 国際専用サービス回線数の推移
(出典)総務省資料により作成
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一方、IP-VPNサービスや広域イーサネットサービスの契約数は増加傾向となっており、2015年度末で、IP-VPNサービスの契約数は57.1万、広域イーサネットサービスの契約数は49.3万となっている(図表5-2-2-17)。

図表5-2-2-17 IP-VPNサービス・広域イーサネットサービス契約数の推移
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成27年度第4四半期(3月末))」により作成
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オ 電気通信料金
(ア)国内料金

●固定電気通信料金の水準は2010年以降ほぼ横ばい、移動電気通信料金については減少傾向で推移

日本銀行「企業向けサービス価格指数(2010年基準)」によると、固定電気通信の料金はほぼ横ばい、移動電気通信の料金は減少傾向にある。2010年と比較すると固定電話は±0.0ポイント、携帯電話・PHSの料金は14.9ポイント減となっている(図表5-2-2-18)。

図表5-2-2-18 日本銀行「企業向けサービス価格指数」による料金の推移
(出典)日本銀行「企業向けサービス価格指数(2010年基準、消費税除く)」により作成
http://www.stat-search.boj.or.jp/別ウィンドウで開きます
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(イ)通信料金の国際比較

●東京の携帯電話の料金は、スマートフォンはデータ利用が小さいプランほど低い水準

通信料金を東京(日本)、ニューヨーク(米国)、ロンドン(英国)、パリ(フランス)、デュッセルドルフ(ドイツ)、ストックホルム(スウェーデン)、ソウル(韓国)の7都市について比較すると、固定電話の料金では、加入時一時金が、東京は7都市中2番目に安く、基本料金については、東京は7都市中5番目に安い。また、東京の平日12時の市内通話料金は、2 番目に安い(図表5-2-2-19)。

図表5-2-2-19 個別料金による固定電話料金の国際比較(2014年度)
(出典)総務省「平成26年度電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban03_02000315.html別ウィンドウで開きます
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携帯電話の料金では、フィーチャーフォンユーザについて、東京は2番目に安い。また、スマートフォンユーザについて、スマートフォンユーザAでは東京は4番目に安く、スマートフォンユーザB・スマートフォンユーザCでは5番目に安い(図表5-2-2-20)。

図表5-2-2-20 モデルによる携帯電話料金の国際比較(2014年度)
(出典)総務省「平成26年度電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban03_02000315.html別ウィンドウで開きます
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3 直収電話とは、NTT東西以外の電気通信事業者が提供する加入電話サービスで、直加入電話、直加入ISDN、新型直収電話、新型直収ISDNを合わせた総称をいう。

4 超高速ブロードバンド利用可能世帯数は、FTTH、CATVインターネット、FWA、BWA、LTEの利用可能世帯数の合計(FTTH及びLTE以外は下り30Mbps以上のものに限る)。

5 ブロードバンド利用可能世帯数はFTTH、DSL、CATVインターネット、FWA、衛星、BWA、LTE、3.5世代携帯電話の利用可能世帯数の合計。

6 FTTH及び通信速度下り30Mbps以上のCATVインターネットの合計。

7 サービスの契約数が総世帯数に占める割合。

8 FTTH、DSL、CATVインターネット、FWA及び地域WiMAXの合計。

9 固定系ブロードバンド契約数は、FTTH、DSL、CATV及びFWAの契約数の合計。

10 「電気通信分野における競争状況の評価2014」においては、固定電話領域におけるサービス市場の画定については、各々の市場における利用者の用途、市場の需要代替性の有無等を勘案し、加入電話については、NTT東西加入電話(ISDNを含む。)、直収電話(直加入、新型直収、直収ISDN)、CATV電話及び0ABJ型IP電話の各サービスをあわせて1つの市場とみなし、「固定電話市場」としている。

11 事務用と住宅用の加入者数はNTT東西に関する状況のみを示している。

12 グループ内取引調整後の数値

13 MNOであるMVNOの契約数を除いた数値

14 通信速度1,200bps〜10Gbpsの回線で、主にデータ伝送、高速ファイル転送に利用。

15 加入時に施設設置負担金(36,000円)の支払いを伴わないプラン。施設設置負担金を支払う場合に比べ、月額250円が基本料に加算される。

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