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第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI〜ネットワークとデータが創造する新たな価値〜
第2節 市場規模等の定量的な検証

3 プラットフォーム

(1)データセンター市場

爆発的に増大するデータトラヒックの保管や処理等を担うデータセンター市場の動向についてみてみる。データセンターとは、コンピューター(メインフレーム、ミニコンピューター、サーバー等)やデータ通信装置等を設置・運用することに特化した施設の総称であり、データセンターサービスとは主に企業の情報システムをデータセンターで監視・運用・管理等を行うサービスである。具体的には、サーバー設置スペースを顧客に貸し出す「ハウジング/コロケーション」、データセンター事業者が所有するサーバーを顧客に貸し出す「ホスティング」、ネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する「クラウドコンピューティング」が挙げられる。仮想化技術、後述するクラウド、ビッグデータといったトレンドを受けて、ICTシステムを実質的に支えるデータセンターの重要性は増している。米シスコ社によれば、今後世界のデータセンター市場において流通するデータトラヒックはさらに拡大し、2014年に3.4ゼタバイトであったのに対して、2019年までにその約3倍の10.4ゼタバイトに達するという4

IHS Technologyによれば、世界のデータセンター市場規模は2015年時点で152億ドルに達しており、今後も堅調に拡大が続くと予想される。とりわけ、アジア地域における市場の拡大が大きく、概ね横ばいが続く欧州・中東・アフリカ(EMEA)全体の市場規模に迫りつつある(図表2-2-3-1)。

図表2-2-3-1 世界のデータセンター市場の地域別売上高推移
(出典)IHS Technology

次に、データセンター市場を分野・用途別でみてみる。主要用途として「クラウド・ICTサービス」「コンテンツ・デジタルメディア」「コンテンツ配信・ネットワーク」「エンタプライズ」「金融」の5つ5に分類すると、現在最も大きいのが「コンテンツ配信・ネットワーク」であり、次いで「クラウド・ICTサービス」となっている。いずれも今後引き続き高い成長率で拡大することが予想されるが、中でも高いのが「エンタプライズ」「コンテンツ・デジタルメディア」である(図表2-2-3-2)。

図表2-2-3-2 世界のデータセンター市場の分野別売上高推移
(出典)IHS Technology


4 GCI Report 2014-2019(2015年10月公表) 1ゼタバイト(ZB)=1兆ギガバイト(GB)

5 クラウド・ICTサービス: IaaSほかクラウドサービスを展開するベンダー(Amazon、 Salesforce.com、Microsoft等)向け。
コンテンツ・デジタルメディア:SNSや電子商取引、動画などのデジタルコンテンツ・メディアサービス業者(eBay、DIRECTV、Yahoo!、 Facebook、 Google等)向け。
コンテンツ配信・ネットワーク:ネットワーク系のICTインフラ提供を主力とする事業者(AT&T、China Mobile等のキャリア)。
エンタプライズ:官公庁、教育、ヘルスケア、小売業などの一般事業会社のシステム向け。
金融:金融機関(Barclays、JPMorgan Chase、London Stock Exchange、野村証券等)のシステム投資向け。

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