平成11年版 通信白書

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第1章 特集 インターネット

5 医療・保健・福祉

医療情報の提供だけでなく、医療相談を受け付けるサービスが登場

1)医療機関における利用状況
 医療分野におけるインターネットの利用では、従来、医療関係者しか持ち得なかった専門知識を、それらを必要とする患者及びその家族等に対し、広く提供することを目的とするものが代表的である。国立がんセンター(http://wwwinfo.ncc.go.jp/0sj/indexj.html)では、8年12月から、ホームページに「がん情報サービス(NCC−CIS)」を開設し、がんに関する情報提供を行っている。掲載される情報には、一般向けと医療従事者向けがあり、定期的に最新のものに更新されている。一般向け情報では、予防や自己診断の方法に加え、治療の具体的説明・副作用等、患者等の関心が高いと思われる情報が掲載されている。一方、医療従事者向け情報では、新しい治療(臨床試験)、国立がんセンターにおけるがん告知マニュアル、がん診療に有用な臨床画像・診療情報等が掲載されている。
 一方、情報提供だけでなく、インターネットを利用して医療相談を受け付けるサイトも複数ある。こうしたサイトの中には、内科、外科、精神科等の各診療科ごとに相談窓口を設け、専門の医師が相談を担当するものまである。時間や場所を気にせず、手軽に利用できるとあって、あるサイトでは、1日の相談人数は平均して2〜3人になるという。
2)地方公共団体における利用状況
「地方公共団体アンケート」によれば、ホームページを開設する地方公共団体の24.9%が医療・保健・福祉分野の情報を発信している。宗像市、福間町、津屋崎町、玄海町及び大島村(福岡県)の4市町村は、10年12月、共同で「宗像地域保健医療福祉情報システム(ほーしす)( http://www.munakata.com/hosys/)」を開設した。各市町村のホームページからアクセスすることが可能で、情報は、宗像医師会、宗像地域医療センター及び各市町村の保健センターが協力して収集し、各市町村ごとの医療・保健・福祉情報を掲載している。このほか、宗像地域の医療機関を、名称、地図、診療科から検索する機能を備えている。
 また、兵庫県では、10年10月、核家族化、共働き世帯の増加等で育児に悩む親の支援を目的に、県のこどもセンター(児童福祉法に定める「児童相談所」)と県立こどもの館が「ひょうご子育て情報室」と名付けたホームページ( http://web.pref.hyogo.jp/kodomo/index.htm)を開設した。その中の「子育てQ&A」では、相談等で多く寄せられる質問に対する回答を、幼児、小学生及び中学・高校生編に分けて掲載している。このほか、登校拒否等への対応を紹介する「パパとママの勉強部屋」、各種制度や医療機関を紹介する「子育て便利帳」等のコーナーを設けている。

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