平成11年版 通信白書

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第2章 情報通信の現況

2 多重放送

データ放送のマルチメディアサービス化が進展

 電波のすきまを利用する新しいデータ伝送技術を活用して、様々な多重放送が行われている(図表1))。
 このうち、FM文字多重放送は「見えるラジオ」として知られ、ニュース・天気予報、交通渋滞情報、芸能・番組情報、緊急情報などの独立した複数の文字情報を24時間無料で提供している。近年、その受信機(液晶画面に最大30文字表示可能な専用ラジオ及びFM文字多重放送が受信可能なカーナビゲーションシステム)の普及が進んでいる。
 また、視聴覚障害者向けの放送として、字幕放送、解説放送などが行われている。「視聴者障害者向け放送の実態調査」によれば、地上系標準テレビジョン放送を行うNHK及び民間放送事業者について、10年度(10年7月)の実施状況は以下のとおりである。
1)字幕放送(図表2))
 字幕放送は昭和60年から実施されており、9年度に字幕番組等の制作費に対する助成制度の拡充、放送法の改正(免許制度の簡素化及び努力義務の創設)を行うとともに、9年11月には、視聴覚障害者向け放送の普及を図るため、行政上の指針として字幕放送の普及目標を策定・公表した。
(i)実施事業者数
 字幕放送の実施事業者数は、NHKのほか、民間放送事業者126社のうち113社であり、9年度の14社から大幅に増加した。これに伴い、民間放送の字幕放送を視聴できる地域が9年度の19都府県から47全都道府県に拡大した。
 なお、民間放送事業者のうち自主制作番組に字幕を付与している事業者は、関東キー5局を除いた108社のうち5社にとどまっている。
(ii)放送時間数
 1週間当たりの放送時間数は、NHK(総合)では21時間03分(対総放送時間比12.9%)、民間放送関東キー5局合計では13時間29分(対5局合計総放送時間比1.6%)であった。
 なお、米国における字幕放送の割合は、ネットワーク番組で対総放送時間比約70%(1995年)であり、我が国において字幕放送は普及しつつあるものの、いまだ低水準にとどまっている。
2)解説放送
 解説放送の実施事業者数は、NHKのほか、民間放送事業者126社のうち34社であり、前年度から変化していない。1週間当たりの放送時間数は、NHK(総合)では4時間(対総放送時間比2.5%)、NHK(教育)では6時間(同4.6%)、民間放送関東キー5局では合計1時間40分(対5局合計総放送時間比0.2%)であった。

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