第1章第1節5（1）インターネットの普及状況：平成9年版通信白書

　インターネットに接続されるホストコンピュータ数は、米Network Wizards社の公表によると、1997年1月現在、全世界で約1,615万台（対前年比70.5％増）であり、我が国は約73万台となっている。
　このようにインターネットは急速な増加を続けている（第1-1-49図参照）。
ア　国内普及状況
(ア)　インターネット・サービス・プロバイダ
　8年2月末現在、インターネット・サービス・プロバイダとしてインターネット接続サービスを行っている第二種電気通信事業者は1,640社であり、これは、第二種電気通信事業者全体の約4割に当たる。また、第一種電気通信事業者については、ＮＴＴ、ＫＤＤ、ＩＤＣ、ＩＴＪ及び武蔵野三鷹ケーブルテレビの5社となっている（第1-1-50図参照）。
（オープンコンピュータネットワーク（ＯＣＮ）サービス）
　ＮＴＴは、8年12月、インターネット接続サービスとしてＯＣＮサービスを東京都23区、藤沢市（神奈川県）及び大垣市（岐阜県）において開始した。
　ＯＣＮサービスは、ＮＴＴ以外の電気通信事業者や情報提供者、企業のＬＡＮ、更に個人のパソコン等、誰もが接続できることを原則としており、例えば、他の電気通信事業者がＯＣＮを自社のアクセス回線やバックボーンネットワークとして利用するなど、多様な形態での接続が可能となる。
(ケーブルテレビ事業者のインターネット接続サービス)
　武蔵野三鷹ケーブルテレビは、8年10月、ケーブルテレビ回線を利用したインターネット接続サービスを開始した。
　本サービスは、750MHzの光・同軸ハイブリッド方式のケーブルテレビ回線のうちケーブルテレビ放送で未使用の周波数を活用して、高速デジタルデータ伝送に利用しているものであり、ダイヤルアップ型接続サービス（28.8kbps）とＬＡＮ型接続サービス（10Mbps）を提供している。
(イ)　アクセスポイント
　8年10月現在で、インターネットにダイヤルアップＩＰ接続するためのアクセスポイントは、全国に282か所（3分間の通話が10円でかけられる単位料金区域）存在し、その数はインターネットの普及に伴い増加している。
　全国3,255の市町村のうち、2,126の市町村が区域内通話（単位料金区域の中に終始する通話）でインターネットへの接続が可能であり、そのうち1,609の市町村の単位料金区域には複数のプロバイダのアクセスポイントが設置されている。
イ　国別普及状況
(ア)　インターネットのグローバル化
　1996年6月現在、インターネットとＩＰ接続が可能な国（地域を含む。以下、この項において同じ。）は、全世界で134か国（対前年同期比38か国増）あり、電子メールによる情報交換が可能な国を含めるとアジアとアフリカの一部の地域を除く186か国（同13か国増）となる（第1-1-51図参照）。
(イ)　国別インターネット接続ホストコンピュータ数の状況
　インターネットに接続されるホストコンピュータ数を主な国別で見ると、米国が約1,011万台（全体の62.6％）と最も多く、以下、日本（約73万台、全体の4.5％）、ドイツ（約72万台、全体の4.5％）、カナダ（約60万台、全体の3.7％）、英国（約59万台、全体の3.7％）の順となっている。
　また、1997年1月までの1年間の増加率を見ると、欧米での成長は若干鈍化している中で、中国（9.20倍）、インドネシア（4.08倍）、インド（3.98倍）のように、主要先進国より更に大きく増加している国も見られる。さらに、過去3年間の成長を見ると、タイ（33.50倍）、インド（22.74倍）、日本（17.17倍）、ニュー・ジーランド（14.64倍）、シンガポール（10.42倍）の成長が目ざましい（第1-1-52図参照）。
(国別の経済規模とインターネット接続ホストコンピュータ数)
　国別の経済規模と各国のホストコンピュータ数の関係について見ると、ニュー・ジーランド、オーストラリア、米国等は平均以上であるが、我が国は平均より低くなっており、経済規模に比して、十分な普及がなされていない状況にある（第1-1-53図参照）。
(国別の人口規模とインターネット接続ホストコンピュータ数)
　また、国別の人口規模と各国のホストコンピュータ数の関係について見ると、我が国は平均以上であるが、米国、オーストラリア、カナダ等においては、更に普及が進んでいる（第1-1-54図参照）。

第1-1-49図　インターネットに接続されるホストコンピュータ数の推移
第1-1-49図インターネットに接続されるホストコンピュータ数の推移（1）