平成9年版 通信白書

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第3章 放送革命の幕開け

 放送分野に急速な変革の波が押し寄せている。
 大正14年、(社)東京放送局によってラジオ放送が開始されて以来、今日まで、放送は国民生活になくてはならない情報メディアとして浸透し、言論報道機関として民主主義の発展に寄与するほか、文化の発展と経済の活性化に貢献するなど、重要な役割を果たしてきた。
 近年、こうした放送分野において、急速な技術革新の動きが見られている。従来、動画像をデジタル情報化し、電波を介して送信することは、そのデータ量が膨大になることから困難が多いとされてきた。しかしながら、デジタル技術とそれを利用した画像圧縮技術の発達により、大量のデータを送信することが可能となり、これに伴ってチャンネル数の飛躍的な増大や高精細な映像の提供が可能となるほか、放送と通信の融合も進展していくことが予想される。また、デジタル化された素材を使い多様な二次利用も容易化することとなる。
 これらの結果、放送分野には大きなビジネスチャンスが生まれ、国内企業による新規参入のみならず、グローバルな規模での事業提携や資本の流入・進出等が想起されるものである。また、放送分野における技術革新の成果が、視聴者に還元され、豊かな生活をもたらす段階に至っているといえる。
 本章では、まず、デジタル化の進展による放送の変革について概観(第1節)し、こうした変化が放送産業に及ぼす影響(第2節、第3節)について解説する。次にこうした変革の動きがグローバルに進展している状況(第4節)や、国民生活に与える影響(第5節)について見ることとする。さらに、こうした変革期にある放送に関する政策を紹介(第6節)し、最後にまとめとして、今後の課題と展望(第7節)について触れることとする。

衛星デジタル多チャンネル放送
衛星デジタル多チャンネル放送

 

 

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