平成9年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

2 先端的な宇宙通信技術の研究開発の推進

 (1) 通信放送技術衛星(COMETS)の開発

 通信放送技術衛星(COMETS)は、将来の高度な衛星放送や移動体衛星通信等の技術開発を行うことを目的とした衛星で、9年夏期に打上げが予定されている。
 COMETSでは、衛星放送用の機器として、広帯域で高出力の21GHz帯の中継器及び周波数の繰り返し利用と地域別放送を可能とするためのマルチビームアンテナを搭載し、これらのミッション機器を利用して、超高精細度テレビ放送、大容量ISDB等次世代の衛星放送技術の確立に必要な実験を実施する予定である。
 また、移動体衛星通信用の機器としては、Ka(30/20GHz)帯及びミリ波(50/40GHz)帯の中継器を搭載し、これらのミッション機器を利用して、Ka帯及びミリ波帯を利用した衛星通信のパーソナル化、マルチメディア化に必要な技術開発を目標として、様々な超小型地球局を用いた実験を実施する予定である。
 また、COMETSを用いて行われる通信・放送実験に関し、有効、かつ効率的に実験を推進するため、7年3月から、「COMETS通信・放送実験推進会議」を郵政省において開催し検討を行った結果、COMETSに搭載した衛星中継器を利用した実験に関する基本方針を決定した。実験推進体制として、同実験推進会議の下にCOMETS通信・放送実験実施協議会を設け、実験の募集、実験計画の調整、実験計画の取りまとめ等を行うこととなっており、8年度から、COMETSを利用して行う実験(利用実験)を幅広く一般からも募集している。

通信放送技術衛星(COMETS)
通信放送技術衛星(COMETS)

 

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