平成9年版 通信白書

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第3章 放送革命の幕開け

(3)BS放送のデジタル化の推進

 放送衛星(BS)を利用した放送については現在、BS-3a及びBS-3bにより、アナログ方式として放送が提供されているが、9年夏から、その運用は後継機(BS-4)に引き継がれる予定となっている。
 8年5月の電波監理審議会の答申の中で、後継機(BS-4)については、先発機と後発機に区別し、先発機(4チャンネル)については、9年中を目途に、ハイビジョンを含む現行の放送を引き継ぐ形での運用が開始されることとなった。
 また、後発機については、本答申を受け、8年7月から「衛星デジタル放送技術検討会」を開催し、BS-4後発機段階での衛星デジタル放送技術の動向につき具体的な検討を行ってきたが、8年12月、報告が取りまとめられた。その概要は、次のとおりである。
[1] 西暦2000年ごろにはデジタル技術の発達により、デジタルHDTV放送及び放送端末の実現が可能となる。
[2] コンテント制作については、高精細度映像に対応可能な技術が今後一層進展し、西暦2000年ごろには、多彩な高精細度映像番組の制作が技術的に可能となる。
[3] 既存のBS受信用屋外設備は、デジタルHDTV放送等の新たなデジタル放送の受信にも共用可能である。
 また、その開発に当たって考慮すべき事項について、次のとおり取りまとめられた。
[1] 今後、衛星デジタル放送技術及び関連技術が一層進展するものと期待されるため、放送端末の高度化、衛星放送サービスの多様化、コンピュータとの整合性等、将来の拡張性に留意して検討を進めることが必要である。
[2] 符号化技術、伝送技術、放送端末技術、アプリケーション技術等の実用化研究を一層進めるとともに、衛星デジタル放送のトータルシステムの実証実験を行うことが必要である。
[3] 国際標準化を図る観点から、欧米、アジア諸国等との国際協調に配慮するとともに、日本が先導的に取り組んできた高精細度映像関連技術等については、その技術力を維持・向上させることが必要である。
 BS-4後発機の具体的な利用方法及び放送方式については、8年10月から「BS-4後発機検討会」において検討を行い、9年2月に報告を取りまとめた。その主な内容は、次のとおりである。
[1] 衛星デジタル技術はその特性を生かして、多様化・高度化する視聴者の放送への要望にこたえることが期待されており、また、諸外国においても放送のデジタル化に向けた取組が積極化している状況等も踏まえ、BS-4後発機段階での放送方式としては、多様な方式が可能となるデジタル方式が適当である。
[2] また、視聴者の高画質の放送への期待、高精細度映像技術の活用といった観点から、その放送についてはデジタルHDTVを中心とすることが適当である。

 

 

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