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第3章 放送革命の幕開け4 欧米における放送デジタル化への対応(1)米国ア 地上放送連邦通信委員会(FCC)は、独自の次世代の地上波テレビ方式の確立を目的として昭和62年より次世代テレビジョン(ATV)の検討を開始した。この計画は地上放送のHDTV化を対象として検討されていたが、2年にフルデジタルの「Digicipher」方式が提案されたのをきっかけにFCCはデジタル化に方向転換した。その後、5年には選考の対象としてデジタル4方式に絞られ、4方式の規格統一(GA)が基本合意されることとなった。 ATV方式の審議は、民間団体であるATSCにより続けられ、7年3月にHDTV電送規格が承認され、9月にはSDTV規格を盛り込むことが承認された。ATSCの最終報告は、7年11月、FCCに提出された。 しかし、GAが採用する走査線方式がコンピュータの走査線方式になじまないことから検討が続けられ、8年11月、GAを基本的に承認するものの、走査線方式を統一しないということで合意がなされ、8年12月、技術基準が制定されている。 実用化に向けた取組としては、8年6月実験放送が開始され、10年には、本放送が開始される見込みである(第3-4-14表参照)。 イ ケーブルテレビ 米国では、9年2月からカリフォルニア州フリーモント等において、デジタルケーブルテレビによるサービスが開始された。
第3-4-14表 米国における地上放送のデジタル化スケジュール
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