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第3章 放送革命の幕開け(2)欧州欧州における地上放送のデジタル化の研究は、各国において並行して行われていたが、5年には、汎欧州デジタル放送を開発するため、政府、事業者、メーカー等25か国、200機関で組織されるDVB(Digital Video Broadcasting)が設立された。DVBは、事業化と技術の両面から汎欧州システムの検討を行っている。ケーブルテレビについてはDVB-Cにおいて検討が進められ、6年に標準化を終えた。地上放送については、DVB-Tにおける検討の結果、7年12月、勧告案が合意され、9年2月、欧州電気通信標準化機構(ETSI)の規格として採択されている。ア 英国 英国では、8年4月に地上放送のデジタル化の実験が行われ、10年初頭の本放送の開始に向けて準備が進められている(第3-4-15表参照)。 また、8年7月に成立した1996年放送法において、地上デジタル放送の導入が規定されており、その概要は、次のとおりである。 [1] デジタル放送用周波数帯域の管理権を所有し放送事業者へ周波数帯域を提供する管理事業者(マルチプレックス・プロバイダ)と、その帯域上でサービスを提供する放送事業者とを切り分けた二元免許制を導入。 [2] BBCには1周波数帯の全域が割り当てられ、他の既存放送事業者には、1チャンネルにつき周波数帯域の半分が割り当てられた。また、BBC及び既存放送事業者は放送事業者とマルチプレックス・プロバイダを兼ねることが可能。 [3] 当初用意される周波数帯域はテレビ用が六つ、ラジオ用が七つであり、一つの帯域で複数の放送(4chを予定)及び付加的データサービスの提供が可能。 [4] サイマル放送については、マルチプレックス・プロバイダへの免許付与後5年か、デジタルテレビの普及率が50%を超えた時点のどちらか早い時点において、終了の検討を行う。 イ その他の国々 フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデンにおいて、実験等実用化に向けた取組がなされている。
第3-4-15表 英国における地上放送のデジタル化スケジュール
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