平成9年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(4)地域社会への貢献施策の実施

ア 郵便局における登記簿謄抄本の交付請求の取扱い
 郵政省は、地域住民に対する行政サービスの確保と利便性の向上を図るため、これまでのファクシミリによる住民票の交付請求の取扱いに加えて、登記所が統合される地域において、利用者が、郵便局の窓口から統合先の登記所に対してファクシミリにより登記簿謄抄本の交付請求を行えるサービスを8年4月から実施している。9年3月末現在110市町村20局で本サービスを実施している。このほか、郵送による登記簿謄抄本の交付請求サービスを、9年3月末現在140市町村588局で実施している。
イ 郵便局窓口ロビーへの過疎地域のふるさと特産品コーナーの設置
 郵政省は、8年9月から過疎地域の産業の活性化と地域振興等の一助とするため、全国の大都市に所在する12の郵便局の窓口ロビーに特産品コーナーを設置し、過疎地域の特産品の展示・PRを順次開始した。これにより過疎地域のふるさと小包の利用拡大を図ることとしている。
ウ 新刊ブックポストサービス
 郵政省は、8年12月から、新刊書籍等の入手が困難な過疎地域を中心とした約1,200の町村に所在する郵便局約3,000局において、新刊書籍が郵送により入手できる新刊ブックポストサービスを開始した。
 利用者は、郵便局の窓口に配備してある新刊書籍の紹介を内容とする専用カタログにより書籍を選び、備え付けの所定の郵便葉書又は郵便振替により、購入したい書籍を、取次店に申し込み、取次店から申込者へ書籍小包により郵送されるというものである。料金は取扱手数料(送料・郵便振替代金・代金引換料)として冊数に関係なく全国一律300円であり、支払方法は、郵便振替又は代金引換の2通りとなっている。
エ お年玉付年賀葉書等の寄附金による地域社会への貢献
 お年玉付年賀葉書(昭和24年開始)、年賀切手(3年開始)に付加された寄附金は、社会福祉の増進、がん等難病の治療研究、青少年の健全育成、地球環境の保全等10の分野の事業への配分を通じて地域社会に貢献している。
 9年用寄附金付お年玉付年賀葉書・年賀切手及び8年度に発行した寄附金付広告付葉書の販売を通じて集められた寄附金は、372団体に対して約16億4千万円が配分された。
オ ボランティアポストによる社会貢献
 郵政省では、広く国民参加による国際ボランティア活動を支援することにより、地域社会の活性化及び国際化に資するため、郵便局の国際ボランティア活動の情報拠点化を目的としたボランティアポストを推進している。8年度には、1)P-SAT、パソコン通信及びインターネットによるボランティア情報の提供、2)国際ボランティア情報の提供や照会に対応するボランティアコーナーの設置、3)国際ボランティア団体との連携・交流、4)ボランティア活動に関する調査研究を実施した。
 9年度は、「ボランティアポスト」を更に充実するため、1)コミュニティへの情報提供の実施等による情報提供の充実、2)専門コーナーの追加開設等による相談体制の充実を計画している。
カ 郵便貯金オンラインシステムのオープンネットワーク化
 情報通信の高度化に伴い、金融の分野においても多種多様なネットワークの相互接続が進展しており、国民共通の財産である郵便貯金オンラインシステムも民間金融機関等に開放することにより、国民の利便性を一層向上させることが求められている。
 郵政省では、民間金融機関等のオンラインシステムとの相互開放に係るセキュリティ対策や決済リスクの問題等を検討する調査研究を9年度に実施することとしている。その調査研究の一環として、現行法上可能な範囲内での郵便貯金の実験用ATMと信販会社等の実験用ATMの間でデータ送受信実験を行うこととしている。
キ 郵便貯金資金・簡保資金の運用を通じた貢献
 財政投融資の主要な原資として活用される郵便貯金資金や財政投融資への協力を通じて活用される簡保資金は、全国約2万4,600の郵便局ネットワークを通じて集められ、社会資本の整備、国民生活の質の向上、地域の振興に重要な役割を果たしている。
 このうち簡保資金は、加入者の身近なところで役立てられるよう、地方還元を図っている。特に地方公共団体へは、地域の郵便局を通じて貸付けが行われており、小・中学校の建設や公園・下水道の整備、更には防災無線の施設整備等に役立てられ、豊かな町づくりに貢献している。8年度末現在の地方公共団体に対する貸付残高は、約14兆3千億円で、9年度には1兆7,300億円の貸付けを計画している。

 

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