平成9年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(6)国際衛星通信をめぐる動向

ア インテルサット
 これまでインテルサットによって伝送されていた国際通信は光海底ケーブルによる伝送に移行しつつあり、さらに、相次ぐ民間衛星によるグローバルなネットワークも出現している。しかしながら、インテルサットは、多くの地域間で現在もなお唯一の通信路として重要な役割を果たしている。
 このような状況の変化を踏まえ、7年8月の第20回締約国総会において、子会社の設立とインテルサット本体が提供するになじまない競争性の高い業務の子会社への移管について、具体的検討を開始することが決定されている。
 この決定を受けて、8年度においては合計5回のインテルサット2000作業部会(IWP)が開催され、子会社の在り方について、具体的な検討作業が行われた。これらの結果は、9年4月に開催予定の第21回締約国総会において取りまとめられることとなっている。
イ インマルサット
 インマルサットは海上の遭難及び人命の安全に係る通信への貢献、海事、航空通信の改善を主たる役割としている。これまで増大する需要に対応して提供回線数は継続的に拡大してきたが、近年の民間企業による周回衛星を利用したGMPCS計画の影響を受けて、将来的に縮小に転じるとの予測もなされており、インマルサットを取り巻く環境は急速に変化しつつある。
 このような競争環境に対応するため、8年2月に開催された第11回総会においては、機構改革の必要性を認め、政府間組織としての性格の維持と海上の遭難・安全通信等公的な義務の堅持を決定した上で、インマルサットの新サービス進出を実現するため署名当事者が負う使用実績に応じた出資義務を廃止し、外部の出資を受け入れる方針を決定している。
 この方針の決定に続き、8年度においては合計4回のインマルサット中間作業部会(IWG)が開催され、最終的な決定に向けて各当事者間の調整が行われた。9年10月に開催予定の第12回総会において、これらの結果を総括し機構改革に関する最終決定が行われる見通しである。

 

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