平成9年版 通信白書

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第3章 放送革命の幕開け

3 視聴覚障害者を対象とした放送

 (1) 視聴覚障害者向け放送の実施状況

 我が国における視聴覚障害者向け放送の実施状況を概観すると、次のとおりである(第3-5-14表参照)。
 ア 視覚障害者向け放送
 視覚障害者向け放送として解説放送が実施されているが、これは、テレビジョン音声多重放送を利用して、視覚障害者を対象に、番組の内容に即応して場面・状況、出演者の動き等を音声により説明する放送であり、視覚障害者が番組を視聴する上で極めて有効な手段となっている。
 NHKの番組数は近年増加しているが、民放においては現在32社により実施されているものの、各社ごとの番組数はほとんど増加していない。
 イ 聴覚障害者向け放送
 (ア) 字幕放送
 字幕放送とは、テレビジョン文字多重放送を利用して、聴覚障害者を対象に、番組の内容に即応してせりふ、ナレーション、歌詞等を画面上に字幕で表示する放送であり、聴覚障害者が番組を視聴する上で極めて有効な手段となっている。
 字幕放送の実施に必要とされる文字多重放送の免許については、2年以降、新たに取得する事業者がなく、現在の実施事業者はNHK及び民放14社にとどまっている。この結果、9年1月現在、28道県において民放による字幕放送は実施されていない。
 (イ) 手話放送
 手話放送は、聴覚障害者を対象に画面の全部又は一部に手話を表示する放送であり、聴覚障害者が番組を視聴する上で、字幕放送とともに極めて有効な手段の一つとなっている。
 NHK教育テレビジョン放送においては、手話と字幕による聴覚障害者向け専門番組が放送されているほか、民放においては、国や地方公共団体の提供する番組に手話を付与した番組等が放送されている。

第3-5-14表 地上放送における視聴覚障害者向け放送の実施状況
第3-5-14表 地上放送における視聴覚障害者向け放送の実施状況(関東地区・1週間当たり)

 

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