調達領域では、ロート製薬の取組が事例の一つとして挙げられる。ロート製薬では、サプライチェーンの複雑化により、人の経験や知見に依存した調整が困難であるといった課題に対し、2025年12月には、富士通株式会社が開発した「マルチAIエージェント技術」と、東京科学大学とロート製薬が共同研究で開発した「サイバーフィジカルシステム(CPS)」の実証実験を開始することを発表した。これは、工場や物流の状態をデジタル基盤上でリアルタイムでとらえるCPSと、調達管理AIエージェント、在庫管理AIエージェントなど複数のAIエージェントを組み合わせる技術を活用することで、工場間・倉庫間の輸送の最適化や、出荷拠点や代理店在庫の補充判断、生産スケジュールやリソース配分の自動最適化等、サプライチェーン全体の迅速化・効率化を目指すもので、需要変動が激しい環境下でも欠品や過剰在庫を抑えた安定した供給体制や、物流効率の向上によるCO2排出量の削減、人材不足の解消に貢献するとしている(図表Ⅰ-2-1-12)。
5 ロート製薬(2025年12月1日)「サプライチェーン最適化に向けて「マルチAIエージェント連携」技術を用いた取り組みを開始」〈https://www.rohto.co.jp/news/release/2025/1201_01
〉(2026年2月25日、4月5日参照)