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第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第2節 電気通信事業政策の動向

(2) 電気通信事業分野における消費者保護ルールの整備

ア 概要

電気通信サービスの高度化・多様化により、多くの利用者に利便性の向上や選択肢の増加がもたらされる一方で、利用者と事業者の間の情報格差、事業者の不適切な勧誘等により、トラブルも生じている。こうしたトラブルを防止し、消費者が電気通信サービスの高度化・多様化の恩恵を享受できるようにするため、総務省では、電気通信サービスに係る消費者保護ルールを整備し、これを適切に執行するとともに、必要に応じてその見直しを行っている。

イ 消費者保護ルールの実効性確保
(ア)苦情・相談等の受付や関係者との連携、行政指導等の実施

総務省では、「総務省電気通信消費者相談センター」を設置し、消費者からの情報提供を受け付けている5。また、電気通信消費者支援連絡会6を全国各地域で毎年2回ずつ開催し、関係者の間で情報共有・意見交換を実施している。このような取組を通じて得られた情報を踏まえ、必要に応じて行政指導や消費者庁と連携した対応等により、電気通信サービスに係る消費者保護ルールの実効性の確保を図っている。

このほか、関係団体における消費者保護ルールの遵守に向けた自主的取組の促進も図っている。

(イ)モニタリングの実施

総務省では、「電気通信事業の利用者保護規律に関する監督の基本方針」を策定し、消費者保護ルールの運用状況についてモニタリングするとともに、有識者や関係の事業者団体が参加し、関係者の間で共有・評価等を行っている。

具体的には、「消費者保護ルール実施状況のモニタリング定期会合7」を開催し、電気通信事業分野の苦情・相談等について、電気通信サービス全体の傾向に加えて、MNO、MVNO、FTTHといったサービス種別ごとの傾向についても分析しているほか、個別のテーマ8についての分析、実地調査(覆面調査)、個別事案の随時調査の結果等を踏まえ、消費者保護ルールの実施状況について評価・総括を行っている。また、事業者等による改善に向けた取組の状況のフォローアップも実施している。

総務省では、この会合における評価を踏まえ、実地調査の対象となった電気通信事業者に対し、改善すべき点を指導するとともに、事業者団体等に対し、業界としての取組や会員への周知などの対応を要請している。また、この会合における分析結果や評価については、消費者保護ルールの見直しの検討や事業者の自主的な取組の推進に活用されている。

ウ 消費者保護ルールの見直し

総務省では、2020年6月から、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」において議論を行い、電気通信市場の変化や消費者トラブルの状況を踏まえ、消費者保護ルールを累次にわたり見直し、その拡充を図ってきた。2025年8月に公表した「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2025」においては、提供条件説明に関する利用者理解の向上、「頭金」9の状況、据置型Wi-Fiサービスの状況等について整理し対応の方向性を取りまとめた。同報告書を踏まえ、消費者に向け「携帯電話の端末販売価格は、同一機種・同一キャリアであっても店舗によって価格が異なること」の注意喚起10を行ったほか、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」を改正し、据置型Wi-Fiサービスを念頭に、解約時に発生する端末の残債等の条件について、契約時に明確に説明すべきである旨を明示した。

こうした取組にもかかわらず、電気通信分野の苦情相談件数は依然として年間7万件程度と高い水準にあり、また、サービス及び料金のプランの多様化・複雑化や社会全体のDXの進展といった市場環境の変化が進む中で、今後、新たな消費者トラブルが発生することも想定される。このような状況下で、消費者が電気通信サービスを安心・安全かつ便利に利用できる環境を整備していくため、2025年10月に情報通信審議会電気通信事業政策部会に「消費者保護ルールの更なる適正化とDX時代への対応の在り方」を諮問し、同部会の下に設置された消費者保護政策委員会において議論を行っている11



5 電話及びウェブにより11,939件(2025年度)の苦情相談等を受け付けている。

6 各地の消費生活センターや電気通信事業者団体などを構成員として、電気通信サービスに係る消費者支援の在り方についての意見交換を行う総務省主催の連絡会。

7 後述の2025年度調査の結果以降は、消費者保護政策委員会で取り扱うことが想定されている。

8 2025年度においては、①通信速度等に関する苦情相談、②高齢者の苦情相談、③FTTHの電話勧誘に関する苦情相談、④出張販売に関する苦情相談を扱った。

9 端末販売価格は店舗ごとに異なり、分割払い時の所定の割賦払い額のほか、店舗ごとに設定する額(0円の場合もあり。)を含む形で設定されている。

10 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_03000446.html別ウィンドウで開きます

11 ①消費者への説明の充実の在り方、②交渉力の低い消費者の保護の在り方、③法令遵守を確保するための措置の在り方、④DXの進展を踏まえた消費者保護ルールの在り方、⑤その他必要と考えられる事項を検討課題としている。

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