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第Ⅰ部 特集 AIの進展がもたらす多面的影響〜人間とAIが健全に協働するデジタル社会の実現に向けて〜
第2節 最近の研究開発・社会実装動向

(3) 国際競争における日本の位置づけ

国立情報学研究所の佐藤一郎教授1011は、汎用LLMはコモディティー化が見込まれるため、日本は領域特化型のAIに注力すべきだとしており、また、領域特化型のSLMについて、特に、音声対応のAIの開発や、製造現場など市場が大きいだけでなく、安全性が高く高品質な日本の業務の特性を活かすことができる分野への応用に注力すべきと考えている。

佐藤教授12によれば、製造現場などの産業分野では、日本独自の高い安全性や品質を実現する業務の仕方にAIを導入することで、より確実な業務の遂行といった改善効果が見込まれるという。例えば、電車の運転手が実施する「指さし確認」では、現状は実施者のみによる確認作業にとどまるが、AIを導入することで、指さし確認のし忘れをAIが指摘してくれるようになる。指さし確認をはじめとする、高い安全性や品質を実現する日本型の業務の仕方は、海外では導入が進んでいないものも多い。そこで、AIを利用して品質を高めた安全な業務の仕方そのものを海外展開していくことや、業務の仕方の国際標準化を先導していくことが日本の勝ち筋になり得るとしている。



10 国立情報学研究所 佐藤一郎教授へのヒアリングに基づく。

11 佐藤一郎(2025)『2030 次世代AI 日本の勝ち筋』(日経BP)

12 国立情報学研究所 佐藤一郎教授へのヒアリングに基づく。

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