マーケティングにおけるAI活用の事例としては、電通やサイバーエージェントの取組が挙げられる。
電通は、顧客が商品やサービスを認知してから購入や利用に到るまでの一連の流れ(カスタマージャーニー)の作成や、アートディレクターの思考を学んだAIによるコンテンツ生成ツール等、マーケティングの幅広い業務にAIを開発・導入している。ユーザーとのやりとりを通じて自律的に最適な答えを導き出す「統合マーケティングAIエージェント」の開発にも取り組んでおり、各業務に特化したAIを活用した、マーケティングの「AIネイティブ化」を構想している(図表Ⅰ-2-1-15)。また、市場調査について、1億人規模の仮想ペルソナを再現するAIモデル「People Model」を開発し、時間の制約を受けずにインタビューやアンケート調査を実施できるほか、調査対象者の確保が難しい属性についてもインタビューが可能になるとしている13。
また、サイバーエージェントは、インターネット広告において膨大な量の制作物を制作、配信、運用するに当たって生成AIの活用は不可欠とし、生成AIを用いた広告プロダクト「極予測シリーズ」を開発している。極予測シリーズでは、効果的な広告テキストや画像を予測・自動生成し、既存の制作物を上回る広告効果をもたらすものを納品、配信する。また、静止画生成の自動化だけでなく動画広告についても自動化に取り組んでおり、現状、人間がAIにプロンプト14を打ち込んで動画を生成するところ、AIによる完全自動の広告生成を2026年中に実現することを目指すとしている15。サイバーエージェントは広告の運用の自動化にも注力しており、広告制作物の制作後の確認について、広告主が指定したルールに基づきAIによる審査を行う「審査AI」を提供している(図表Ⅰ-2-1-16)16。審査AIによって、人間の業務の効率化や広告効果の最大化を支援し、広告主が戦略立案など本質的な業務に注力できるとしている。
13 電通「AI For Growth」〈https://www.dentsu.co.jp/labo/ai_for_growth/
〉(2026年2月2日、4月5日参照)
14 AIに対して入力される指示や質問のこと。
15 日経クロストレンド(2026年1月6日)石飛 大和「サイバーエージェントが動画広告をAIで完全自動生成へ AI新職種も登場」〈https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01301/00005/?i_cid=nbpnxr_child
〉(2026年3月25日参照)
16 サイバーエージェント「AIクリエイティブ」〈https://www.cyberagent.co.jp/service/ai/aicreative/
〉(2026年2月25日参照)