電気通信事故を抑止し、その影響を小さくするためには、事前の対策に加え、事故発生時及び事故発生後の適切な措置が必要である。総務省は、2015年から「電気通信事故検証会議」を開催し、主に電気通信事業法に定める「重大な事故」及び「重大な事故が生ずるおそれがあると認められる事態」並びに電気通信事業報告規則に定める「事故発生状況の報告」の分析・検証を実施している。同会議では、2024年度に発生した電気通信事故の検証結果等を取りまとめ、2025年12月に「令和6年度電気通信事故に関する検証報告」を公表するとともに、2025年度に発生した電気通信事故については継続的に検証を行った。
電気通信事故が多発する背景には、リスクの洗い出しや評価、ヒューマンエラー防止や訓練、保守運用態勢等、共通する課題が多いと考えられる。このため、個別の事故の背景にある組織・態勢面等の構造的問題及び構造的問題の検証を踏まえた技術基準や管理規程等の規律の見直し、安全対策に係る保守運用態勢に対するガバナンス強化の在り方等について、2023年3月に「電気通信事故に係る構造的な問題の検証に関する報告書」を取りまとめた。本報告書の内容を踏まえ、電気通信事業者自身による各種取組に加え、行政により、電気通信役務の安全・信頼性の確保に係る法令遵守状況等のモニタリングを併せて実施することを目的として、同年7月に「電気通信役務の安全・信頼性の確保に係るモニタリングの基本方針」を策定し、初年度である2023年度より検証を実施している。直近では、2024年度の検証の結果概要を2025年6月に電気通信事故検証会議において報告するとともに、当該結果概要を公表し、同年8月に2025年度の検証を開始した。
また、2025年4月から同年8月にかけて、情報通信審議会情報通信技術分科会IPネットワーク設備委員会において「電気通信サービスの利用実態の変化等を踏まえた電気通信事故報告制度の在り方」について検討を行い、同年9月に同審議会から一部答申を受けた。本答申に基づく改正省令について、2026年3月に公布しており、同年4月から施行された。