世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)における電気通信分野の交渉については、2001年から始まったドーハ・ラウンド交渉の停滞に伴い、1997年に合意した基本電気通信交渉以降の進捗は見られない状況にある。一方、昨今のインターネット上のデータ流通を取り扱う電子商取引分野への注目の高まりを踏まえ、WTOにおける有志国の取組として、2019年より電子商取引交渉が正式に開始され、2024年、共同議長国(日本・オーストラリア・シンガポール)は、交渉参加国・地域を代表して、電子商取引に関する協定の安定化したテキストを達成した旨の共同議長国声明を発出するとともに、テキストを公表した。
協定テキストを公表して以来、同協定をWTO協定に組み込むことが目指されているが、組込みに必要な全WTO加盟国によるコンセンサスの形成には至っていないため、WTO協定への組込みが実現するまでの間、電子商取引協定を有志国(日本を含む66のWTO加盟国)の間で実施するべく、「電子商取引に関する協定のための暫定的な措置に関する宣言」24が2026年3月に発出された。今後、これらの参加国は、電子商取引協定の受諾に必要な国内手続を進め、同協定の実施を目指すこととなる。
24 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_03554.html![]()