情報通信技術を用いて人、道路、車等をつなぐITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)は、交通事故削減、渋滞緩和等により、人やモノの安全で快適な移動の実現に寄与するものである。
総務省では、これまでVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)やETC(Electronic Toll Collection System:電子料金収受システム)、車載レーダーシステム、700MHz帯高度道路交通システム等で利用される周波数の割当てや技術基準等の策定を行うとともに、これらシステムの普及促進を図ってきた。
現在、欧州・米国等を中心として、世界的に自動運転の社会実装に係る取組が進められているところ、分合流支援等の高度な自動運転の実現には、カメラ、レーダー等の車載センサーに加えて、周囲の車、路側インフラ等と情報交換するV2X(vehicle to everything)通信が重要な役割を担うことが見込まれている(図表Ⅱ-2-3-7)。
V2X通信システムとして、世界的には5.9GHz帯を活用したV2X通信システムの実証・実装が進められていることを踏まえ、我が国においても5.9GHz帯のV2X通信の導入に向けた検討を進めている。総務省では、周波数再編アクションプラン(令和7年度版)に基づき、2026年1月に周波数割当計画の一部を変更する告示等を公布し、特定周波数変更対策業務により5.9GHz帯の周波数変更を実施するための制度整備を行った。また、ドライバーの安全・快適な運転を支援する700MHz帯ITS通信についても、多様な主体による電波の有効活用を推進するため、2025年12月、700MHz帯ITS通信を利用可能な免許人の範囲の追加等を行う制度整備を実施した。これらの状況を踏まえ、自動運転レベル4の社会実装に向けて、これを支える通信環境の確保や通信インフラの整備のため、5.9GHz帯V2X通信システム導入に必要となる既存無線局の周波数移行への支援や、5.9GHz帯V2X通信の技術的条件の検討や技術検証を推進している。
また、総務省では、2030年代の自動運転社会の本格的到来を見据え、2025年9月から「自動運転時代の“次世代のITS通信”研究会(第3期)」を開催し、【自動運転×通信】の広い視点から、自動運転時代に必要となる通信政策の検討を進めている。
その他、我が国ITS技術の国際標準化・海外展開に資するため、国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)の報告案への寄書入力や、ITS世界会議等の国際会議における情報発信等を通じ、我が国技術の普及展開等に取り組んでいる。