昭和54年版 通信白書

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第1部 総   論

第1章 通信及び情報化の現況

 昭和53年度の我が国の経済は,経済成長率そのものは5.5%と3年続きの5%台にとどまったが,年度後半には設備投資を中心とした民間需要の盛り上がりがみられるなど,石油危機後5年目にして初めて国内需要主導型となり,本格的な景気回復を感じさせるものとなった。
 社会経済活動の基盤をなす通信の分野は,このような経済動向と密接な関連を有している。53年度においては,日本電信電話公社(以下「電電公社」という。)予算において,建設勘定予算が,補正後1兆6,400億円と,過去最高であった前年度に次ぐ規模の投資額となった。一方,一般加入電話の新規架設数は前年度に引き続き予定数を大きく下回ったが,事務用電話の架設数が増加するなどの動きがみられた。
 また,ガット東京ラウンド交渉の政府調達問題に関連し,電電公社の資材調達問題を日本市場の閉鎖性の象徴の一つとして取り上げ,批判する動きが米国内で急速に高まり問題を大きくしたが,米国との累次の交渉等の結果,今後の交渉の枠組等について一定の合意を得た。
 53年度の通信サービスの総生産額(収入額)は,景気回復の兆しを反映して5兆4,159億円と前年度に比べ6.4%の伸びを示したものの,郵便事業については,人件費等の経常経費の増加により大幅な収支状況の悪化がみられた。
 本章では,53年度の通信について,まず年間の状況を概括的には握し,次いで,通信事業の経営,情報産業及び通信関連産業の動向,家計と通信について,53年度の社会経済動向との関連を明らかにし,更に我が国の情報化の動向及び諸外国における情報通信の動向について取り上げることとする。
 

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