 第1部 総論
 第1節 昭和53年度の通信の動向
 第3節 通信と現代文化の今後の潮流
 第2部 各論
 第1章 郵便
 第2節 郵便事業の現状
 第2章 公衆電気通信
 第2節 国内公衆電気通信の現状
 第3節 国際公衆電気通信の現状
 第4節 事業経営状況
 第3章 自営電気通信
 第1節 概況
 第2節 分野別利用状況
 第4章 データ通信
 第2節 データ通信回線の利用状況
 第3節 データ通信システム
 第4節 情報通信事業
 第5章 放送及び有線放送
 第6章 周波数の監理及び無線従事者
 第1節 周波数の監理
 第2節 電波監視等
 第7章 技術及びシステムの研究開発
 第2節 基礎技術
 第3節 宇宙通信システム
 第4節 電磁波有効利用技術
 第6節 データ通信システム
 第8節 その他の技術
 第8章 国際機関及び国際協力
 第1節 国際機関
 第2節 国際協力
|
12 自己相関関数を利用した音声処理方式(SPAC)
郵政省電波研究所は,50年度に新しい音声処理方式SPAC(Speech Processing system by use of Auto Correlation function)を開発した。SPACは,音声波形を自己相関関数に変換して周期ごとに接続するが,自己相関関数の性質を巧妙に利用し,音声周波数帯域の圧縮・拡大と,音声信号に重なった雑音やひずみの低減を行う。したがって,この方式は音声を伝送する帯域幅の節減や,低品質の音声信号の品質改善に役立てることができる。
51年度から,SPACのS/N改善能力の理論的解析と聴き取り試験による評価などがすすめられ,0dBの正弦波信号のS/Nは13dB以上も改善できること,音声のS/Nは6〜10dB改善できることが明らかになった。一方,狭帯域伝送(低ビット率伝送)への応用として,低速度ADM(8〜10kb/s)とSPACを組み合わせたところ,許容できる品質が得られ,52〜53年度には,実時間で処理を行うSPACの実験装置が試作された。この装置を用いて実用化への検討が進められている。
|