|
5 国際海事衛星機構(INMARSAT)(1) インマルサット条約の署名等の状況
国際海事衛星機構(インマルサット)は,海事通信を改善するために必要な宇宙部分の提供を目的とする組織として設立が構想され,3回にわたる政府間会議における審議の結果,1976年9月3日にインマルサットに関する条約及び同運用協定が採択され,同日以降署名のために開放されている。1979年3月31日現在における条約及び運用協定の署名等の状況は第2-8-8表のとおりである。 (2) 準備委員会の活動
政府間会議の決議に基づき,インマルサットの発足に備えて諸準備を行うことを目的として準備委員会が設立され,1977年1月から活動を開始した。 (3) 宇宙部分をめぐる動き 準備委員会も,宇宙部分システムについての検討を行ってきた。しかし,準備委員会は決定をする権限を有さず,一方,現用中のマリサット・システムが設計寿命に達する1981年からインマルサットのシステムが運用可能となるためにはインマルサット発足以前に調達作業を開始する必要があるので,宇宙部分の決定・調達を行いこれをインマルサットに引き継ぐことを目的とするジョイント・ベンチャー組織の設立が構想され,その準備のための会合が1977年10月からたびたび開催されて準備委員会のメンバの大部分がこれに参加した。結局,インマルサットの発足が間近に予想されるに至ったために,1979年3月の会合でジョイント・ベンチャーは設立されないことになったが,準備委員会及びジョイント・ベンチャー設立のための会合を通じて,多くの国が海事通信用部分をとう載したインテルサットV号系衛星3個及びヨーロッパ宇宙機関(ESA)が開発中のマレックス衛星3個からなるシステムに対する支持を明らかにし,これに基づいてインテルサット理事会が,インテルサットV号系衛星の5,6及び7号機に海事通信用部分をとう載することを決定して必要な手続を開始する等インマルサットが早期に宇宙部分を取得し得る可能性は大きく高まった。
|