昭和54年版 通信白書

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4 車両位置自動表示システム(AVMシステム)

 AVM(Automatic Vehicle Monitoring)システムは,電波を利用して運行中の車両の位置及び動態(実車,空車又は作業中等)その他の情報を自動的にセンターに収集表示するシステムであるが,各事業において車両の運行管理を効率的に行うため,このシステムを導入しようとする気運が高まってきている。
 AVMシステムは,すでに米国,欧州等の諸外国はもとより,我が国においても警察庁,タクシー事業者等が一部の地域で実施しており,今後の急速な普及が見込まれるので,電波の有効利用を図る観点から最も適した方式,技術条件等を定める必要がある。このため郵政省では,51年度に財団法人移動無線センターに調査を依頼し,同センターは,考えられる各種システム(第2-7-5表参照)について総合的な調査を行った。その結果によると技術的,経済的な観点から当面,分散送信方式及び分散受信方式の実用性が高いが,特に大都市については,共同利用及び電波の有効利用上からは,分散送信方式が最も適した方式であるとされている。
 しかしながら,分散送信方式は,米国及び西独において利用されているものの,我が国においてはいまだ実施例がないので,まず,少数の移動体により本方式の実験を行い,その有効性を確認した上でAVMの本格的な導入を図ることが適当と考えられる。このため,54年3月に財団法人移動無線センターを中心とし,タクシー関係等のユーザ及び,AVM関係メーカ等計20の団体からなる「AVM実験協議会」が設立され,54年度中頃から東京において分散送信方式に関する総合的な実験が行われる予定である。

第2-7-5表 AVMシステムの方式

 

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