昭和54年版 通信白書

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3 電子交換方式

 電電公社では,46年12月に蓄積プログラム制御方式を用いた空間分割形電子交換機によるサービスを開始し,その後,装置の改良,経済化を折り込みながら,全国に導入し,52年度末で約270ユニットを運用している。
 この電子交換機の適用領域の拡大を図るため,中小局用電子交換機として,約1万6,000端子容量のD20形自動交換機の商用試験が,箱根局及び中軽井沢局で50年から51年にかけて実施され,現在順調に運用されており,また,経済的な導入を図るため,D10形自動交換機の中央制御装置を複数の電子交換機で共用するD10-R1方式が,笠寺局(名古屋),蒲田局(東京)等で商用に供されている。
 これら電子交換機の高性能化,経済化を図るため,より高速で処理能力の高い中央処理系装置,小形経済化を図った新通話路系装置を採用した方式の商用試験を進めている。高速中央処理系装置は高速論理素子の採用,回路方式の改良,補助記憶装置への磁気バブルの採用等により現用のものに比べ経済性の点で同程度で,かつ2倍以上の処理能力を有するものである。新通話路系装置は電子交換機の価格の1/2以上を占める通話路系装置について,現用の小形クロスバスイッチに代え多接点封止形スイッチを採用するなどにより経済化と小形化を図ったものである。また,新機能,新サービスの追加に対する即応性,システムの早期安定性,及びプログラム維持管理性の向上等を図るため,機能ブロック化により,プログラム構造を改良し,プログラム言語として交換用高水準言語(CHILL)を使用した改良プログラムシステムを実用化し,商用試験に備えた。
 一方,全国規模での新規サービスの均一化並びに無人小局の保守性の向上を図るため,従来から,小局領域に対して経済的に適用できる最大2,000端子容量の小局用電子交換機の実用化を進めている。
 国際電電では52年2月に商用に供したXE-1国際電話用電子交換システムにより共通線信号方式(CCITT No.6信号方式)を53年7月,米国及びオーストラリアとの間で世界に先駆けて商用化を開始した。また,同システムにより国内,国際を含め最大6人までの通話が可能な国際会議通話サービスも53年12月に開始した。
 一方,51年8月にCT-10国際テレックス電子交換システムを商用に供したが,更に,非常障害時における通信の確保とともに通信の需要増に対処し,かつ運用保守の省力化,効率化を推進するため,CT-20国際テレックス電子交換システムを55年度運用開始を目途に大阪地区へ導入すべく設備開発を進めているほか,電子式の国際テレックス加入者線交換機及び国際テレックス加入者線集線装置を,54年度中に東京地区へ導入すべく準備を進めている。
 国際電報の託送については,作業の効率化を図るため,これまで電話託送準自動受付システム(PTAS-A)を52年1月に,着信国際電報自動処理システム(PTAS-B)を53年5月に導入したが,更にテレックス加入者からの託送電報の受付作業を54年度末から自動化すべく,発信国際電報自動処理システム(PTAS-C)の建設を進めている。

 

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