昭和54年版 通信白書

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第4節 電磁波有効利用技術

1 自動接続方式による沿岸無線電話

 沿岸無線電話は,電電公社が,150MHz帯及び250MHz帯の周波数により,日本沿岸を航行する船舶と陸上の一般加入者間又は船舶相互間に公衆電話サービスを提供するものである。
 39年10月のサービス開始当初は,無線チャンネルは150MHz帯32CH(64波)で,加入船舶数は約500隻であったが,その後の経済成長,公衆通信網の整備拡充,船舶安全法の改正等に伴い飛躍的に需要が増加し,54年3月現在,150MHz帯87CH(174波)で約7,200隻,250MHz帯49CH(98波)で約2,000隻,合計9,200隻の船舶が沿岸無線電話を利用している。
 この沿岸無線電話の需要予測によれば,62年の加入船舶数は20,000隻に達するものと推定される。このため,沿岸無線電話の自動化により,周波数の有効利用を図りサービスの改善と,今後の需要に対処するため53年4月から9月にかけて,陸上通信網と無線区間の総合動作の確認及び商用に供する問題点の究明のための実験を行い,実用についての見通しが得られた。
 この自動接続方式は,
ア.ダイヤルによる自動接続方式のため,接続時間が短縮でき,かつ,あらかじめ加入船舶の在圏位置を登録しておくため,無効呼出しが解消され,周波数の効率的運用が図られること。
イ.自動化によって,即時通話が可能となり通話サービスが改善され社会的要望にこたえることができること。
ウ.電電公社が行った実験結果から,実用に供して支障がないと認められること。
などから,その導入が認められ54年3月末からサービスが開始された。
 今後の需要に対しては,自動接続方式のもので対処することとなり,250MHz帯及び150MHz帯の手動接続方式のものも,順次,自動接続方式のものへ移行していくこととなる。
 なお,従来の手動接続方式と自動接続方式の相違点は,第2-7-3表に示すとおりである。

第2-7-3表 手動接続方式と自動接続方式の比較

 

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