昭和54年版 通信白書

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第4章 データ通信

第1節 概   況

 電子計算機等を電気通信回線に接続してデータの伝送と処理とを一体的に行うデータ通信は,ここ数年来順調な発展を遂げてきたが,53年度においても総体としては従来とほぼ同様の発展を示した。
 まず,データ通信回線の利用状況を見ると,国内データ通信回線数は,ほぼ前年度と同様の伸びを示し,18%の増加となった。このうち特定通信回線にあっては規格別の構成比から見ればユーザがその音声帯域を自由に利用できるD-1規格が47%を占めている。他方,公衆通信回線にあっては電話型回線の占める割合が多く78%を占めている。また,国際データ通信回線は27%増と例年に比べ大きな伸びを示した。
 次に,データ通信のシステム数については,国内データ通信システムは,53年度末現在3,468システムが設置されており,対前年度比26%,719システムの増加となった。また,国際データ通信システムは,53年度末現在84システムが設置されており,対前年度比35%,22システムの増加となっている。
 データ通信サービスを他人の需要に応じて提供する情報通信事業は,電電公社,国際電電及び民間企業により営まれている。我が国の情報通信事業は全米的,全世界的なネットワークを形成している米国の情報通信事業に比べると,事業規模やネットワーク規模等からみて小規模なものがほとんどであるが,最近においては,ネットワーク・インフォメーション・サービス(NIS)へ発展しようとする動きが現われてきている。
 データ通信システムは,近年の電気通信技術,電子計算機技術,ソフトウェア技術等の発達に伴い,従来のような集中処理方式から分散処理方式へと移行していく傾向がみられ,他方では,異なるデータ通信システム相互間を接続して電子計算機の処理能力やデータベースを効率的に共同利用する,いわゆる資源共有型のコンピュータ・ネットワークへと発展していく動きもみられる。このようなネットワーク化の動向に対応して,電電公社及び国際電電は新データ網サービスの計画を発表しており,コンピュータ・メーカもそれぞれ独自のネットワーク・アーキテクチュア構想を発表している。また,CCITT等においては,データ通信におけるプロトコルの標準化作業が進められた。

 

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