昭和54年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

3 我が国の情報化の展望

 以上,情報流通をその情報流通量,情報の消費率,情報流通のコスト面と,それぞれみてきたが,我が国においては情報化が電気通信メディア,とりわけマス・メディア主導で推移してきたことは明らかであり,この傾向は今後も当分の間続くものと思われる。しかしながらマス・メディアが中心的な役割を果たしているこのような情報流通の状況の中で,近年,自営データ通信,ファクシミリ通信,電話等双方向通信を特徴とする電気通信系のパーソナル・メディアの発展が注目される。
 こうした動きは,マス・メディアを中心とした一方向的な送り手主導型の情報の流れの中で,情報の受け手側の意思が反映される双方向的な情報の流れの増大を暗に示しているものと考えられよう。
 既にみてきたようにが国の情報化は,マス・メディアを中心とした大量の情報が流通しており,このような時代においてはますます画一的でない,個々の要求に応じた,より詳細な情報ニーズが優先されるようになると考えられる。
 このようなすう勢の中で,キャプテンシステムの実験が近く開始される等個別情報を提供する新しいメディアの開発が行われていることは,今後の我が国における情報化の方向を示すものとして注目されよう。

 

2 情報流通の動向 に戻る 第1部第1章第3節 諸外国における情報通信の動向 に進む