昭和54年版 通信白書

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7 時間及び周波数の標準

 我が国でも近年カラーテレビジョンの多元同期,ロケット追跡ステーションの時刻同期等諸科学分野において,確度の高い時間及び周波数の原子標準器を必要とする範囲が多くなりつつある。このような情勢の下で,郵政省電波研究所の原子周波数標準の高確度化はもちろんのこと,時間及び周波数の精密計測あるいは校正法,高精度な標準の供給法等の開発がますます重要となってきている。
 我が国の時間及び周波数のより高精度原器として電波研究所に新設した2台の水素メーザを,52年に引き続いて原器として整備し,自動同調系の製作を完了した。また,高精度実用セシウム標準器の開発のため,実験装置本体部の試作を行い,エレクトロニクス系の整備を終了した。
 更に,電波研究所では通信,計測,測地等の各分野からその実現を期待されている超高安定発振器の開発実用化を目途として,51〜52年度で超伝導空胴発振器一式の試作を終わり,高安定度水晶発振器を基準にその周波数安定度の測定を行い,Q値107の空胴共振器を用いて2×10-11を得た。周波数安定度の飛躍的向上には,空洞共振器のQ値の向上が必須であるため,53年度は,これらを更に2〜3桁向上させるため,共振器処理のための超高真空高温炉の施設整備を行った。

 

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