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令和4年 情報通信に関する現状報告の概要
令和4年 情報通信に関する現状報告の概要

令和4年 情報通信に関する現状報告の概要

序章 白書刊行当初と現在の環境の変化

第1節 ICTの高度化とサービスの多様化

  • 主なコミュニケーションツールは、1973年当時は加入電話。
    現在は携帯電話。また、メールやソーシャルメディア(SNS)など、ICTを用いた多様なコミュニケーションツール、サービスも普及。
  • 映像の視聴手段は、1973年当時はアナログ方式の地上放送テレビで視聴。
    現在は衛星放送CATV放送の視聴も可能であり、映像技術の高度化により超高画質の4K・8Kの映像を楽しむことができる。また、インターネット動画配信サービスモバイル端末で視聴することも可能。
(出典)ココログ「夜明け前電話をかける子ども|昭和の風景④」、写真AC
(出典)上島町デジタルアーカイブ、情報通信総合研究所

第2節 ICT利活用の社会・経済活動への浸透

  • 企業では、1973年当時は企業内に構築された汎用機(メインフレーム)を中心として情報を処理。
    現在はクラウド技術の発展・普及により、企業内に情報システムを構築せずに、データの共有や機能の拡張が可能。
  • 現在は、防災・減災、医療など様々な分野においてICT利活用が浸透
    a)防災・減災分野:センサーやドローンを活用し遠隔地から現地の被害状況を確認。
    b)医療分野:救急車の中などからクラウドサーバに心電図のデータを送信することで病院到着前に病院で心電図を閲覧することが可能。
    c)教育分野:GIGAスクール構想に基づき、授業でのパソコンやタブレット端末の利用が浸透。
    d)農業分野:各種センサー情報を活用した生育管理、ドローンを活用した農薬散布などスマート農業が進展。
(出典)千葉市消防局、新潟市立江南小学校、写真AC

第1章 過去50年間での変化を時系列で振り返る

(出典)総務省(2022)「デジタル社会における経済安全保障に関する調査研究」

第1節 1973年−1985年頃:アナログ通信・放送の時代

  • 白書の刊行が始まった1973年度の加入電話の契約者数は2417万人。1978年に積滞解消、1979年に全国自動化が達成され、1981年度に加入電話の契約者数は4000万を突破。
  • 1985年には電電公社が民営化、日本電信電話株式会社(NTT)が設立、通信市場に競争原理が導入。
  • 放送市場では、テレビ放送の普及が進み、テレビは国民生活に不可欠な存在。
【加入電話の契約者数の推移】
(出典)日本電信電話公社社史を基に作成

第2節 1985年−1995年頃:通信・放送市場の発展と 新たなサービスの登場

  • 新規参入により、長距離通話サービスを中心に料金の低廉化が進展。
  • 移動通信市場でも徐々に競争が進展。また、携帯電話の小型化が進み、1993年にはデジタルサービス(2G)が開始。
  • 電話回線やISDN経由で通信事業者のコンピューターに接続し、情報の送受信を行うパソコン通信が急速に普及
  • BS放送、CS放送が開始されるなど、放送市場でもサービスの多様化が進展。
【電話最遠距離料金の推移】
(出典)日本電信電話(1996)「NTTの10年(1985→1995)通史編」を基に作成

第3節 1995年−2005年頃:インターネットと携帯電話の普及

  • インターネットが一般家庭へも急速に普及し、写真等の画像も閲覧可能となる。また、インターネットを用いた新たなビジネス(例:ECモール、ポータルサイト)が拡大。
  • 携帯電話も料金の低廉化が進んだこと等により普及が進み、2000年には、移動電話サービスの契約者数固定電話サービスの契約者数を上回る
  • 違法・有害情報の拡散等インターネットの「負の側面」の拡大に伴い、インターネット関連の制度的対応が進展
  • 放送系メディアのデジタル化が進み、2003年には、地上デジタル放送が開始。
【通信サービスの加入者数】
(出典)総務省「情報通信統計データベース」

第4節 2005年−2015年頃:ブロードバンド化とモバイル活用の拡大

  • ネットワークインフラの高速化・大容量化が進展し、固定通信網ではFTTH、移動通信網ではLTEが普及。
  • 2008年にiPhoneが発売され、スマートフォンが急速に普及。SNS、地図、検索等多様なアプリケーションサービス等により、モバイル端末の利用シーンが拡大
  • ネットワークの高度化、センサーの高機能化等を背景に、あらゆるものがネットワークにつながるIoTが進展。
  • 青少年へのインターネットや携帯電話の普及に伴うトラブル等に対応するため、関連法を整備、フィルタリングサービスの提供や普及啓発活動を開始。
  • 2012年に47都道府県全てで地上波のアナログ放送が終了し、デジタル放送に移行
【スマートフォンの世帯保有率の推移】
(出典)総務省「通信利用動向調査」を基に作成

第5節 2015年−現在:ICTの社会・経済インフラとしての定着

  • ネットワークインフラは更に高度化し、2020年3月、5Gサービスの提供が開始。様々な主体が利用可能な「ローカル5G」の制度が新設され、医療、製造業(工場)など多様な分野での5G利活用の推進に向けて実証実験等を実施。
    また、6G/ Beyond5Gに向けた技術戦略等についても検討。
  • インターネット動画配信サービスが普及・本格化。
    放送事業者は、見逃し配信サービスや番組のリアルタイム配信サービスを提供。
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、テレワーク、オンライン学習、オンライン診療等非接触・非対面での生活様式を可能とするICTの利活用が一層進展、ICTはあらゆる社会経済活動を支えるインフラのインフラ
  • グローバルプラットフォーマーの市場支配力は一層高まりを見せており、データの寡占やその取扱いに関する課題も顕在化。

第2章 今後の日本社会の展望

第1節 今後の日本社会におけるICTの役割に関する展望

1.ICTによる労働生産性の向上と労働参加の拡大

  • 生産年齢人口の減少による労働力の不足が見込まれる中、AIやビッグデータ解析等により、作業の迅速化や精度向上による業務の効率化生産・流通過程の更なる効率化が可能。
  • テレワーク等により多様で柔軟な働き方の選択が可能となり、労働参加率の向上に貢献

2.ICTによる地域活性化

  • 地域経済の縮小が見込まれる中、ICTの活用により、時間と場所の制約を超えて市場が拡大し、地域企業の商圏が拡大
  • 地理的制約に囚われない働き方が可能となるとともに、オンライン医療・教育等地方に居ながら都会と同様のサービスを享受することも可能となる等、地方の定住人口の拡大に貢献

3.ICTを活用した迅速・効率的な情報収集と情報伝達

  • 災害が激甚化・頻発化する中、多種多様なセンサーやドローン等ICTを活用することにより、災害関連情報の収集や避難情報等の提供を迅速かつ正確に行うことが可能となり、防災・減災に貢献

4.ICTによる社会インフラの維持管理

  • 社会インフラの老朽化が急速に進む中、ICTの活用により、社会資本の長寿命化の推進や維持管理・更新費などのトータルコストの縮減・平準化に貢献。

5.グリーン社会実現への貢献

  • 地球温暖化の深刻化が見込まれる中、ICT 自身のグリーン化(Green of ICT)やICT によるグリーン化(Green by ICT)により、グリーン社会の実現を促進

第2節 既に顕在化している課題への対応

1.国際環境の変化に伴うリスクへの対応

  • ICTはあらゆる社会経済活動を支える最も基幹的なインフラの1つとなっており、国際情勢が複雑化する中、通信ネットワークやICT関連機器・部品のサプライチェーン等の強靱化は重要な課題。
  • 2022年5月、重要物資の安定的な供給の確保、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保、先端的な重要技術の開発支援及び特許出願の非公開を4つの柱とする経済安全保障推進法が成立
  • 2022年6月、総務省では、世界をリードできる先端的な技術開発について国の集中投資による研究開発の加速化を図るための新たな技術戦略を策定したほか、戦略基盤産業としての役割が増す情報通信産業の戦略的自律性の確保と戦略的不可欠性の獲得を目指すべく、重点的に取り組むべき8つの領域などをとりまとめた総合戦略を策定。

2.データガバナンス

  • データの経済的価値が高まる中、グローバル・プラットフォーマーへのデータの集中やデータの取扱い等への懸念が増大。
  • 2021年6月、データの適正な利活用等に向けて「包括的データ戦略」を閣議決定。
  • 2022年6月、利用者の利益に及ぼす影響が大きい電気通信事業者に取得する利用者情報の取扱規程の策定・届出等を義務付ける改正電気通信事業法が成立。

3.違法・有害情報への対応

  • SNSや動画配信サービス等の普及により、他人を誹謗中傷する表現や知的財産権侵害のコンテンツ等違法・有害情報や偽情報の拡散への懸念が増大。
  • 発信者情報開示について新たな裁判制度(非訟手続)を創設することなどを内容とするプロバイダ責任制限法の改正等の制度的な対応を実施。
  • また、利用者のICTリテラシー向上相談窓口の設置ファクトチェックの推進等、民間の多様なステークホルダーが様々な取組を推進。

第3章 ICT市場の動向

(出典)総務省作成

第1節 我が国のICT産業の動向

【情報通信産業の国内総生産(GDP)】

  • 2020年の情報通信産業の名目GDPは51.0兆円で、前年(52.3兆円)と比較すると2.5%の減少

【情報化投資】

  • 2020年の民間企業による情報化投資は2015年価格で15.2兆円(前年比0.4%減)、民間企業設備投資に占める情報化投資比率17.8%(前年差1.1ポイント増)
  • 情報化投資の種類別では、ソフトウェア(受託開発及びパッケージソフト)が8.9兆円で、全体の約6割。

【ICT分野の輸出入】

  • 2020年のICT財・サービスの輸出入額(名目値)は、輸出額は10.6兆円(全輸出額の13.7%)輸入額は16.8兆円(全輸入額の18.4%)
  • 2020年のICT財の輸入超過額は3.5兆円(前年比16.6%増)、ICTサービスの輸入超過額は2.7兆円(前年比20.0%減)で、ICT財において輸入超過の拡大が顕著。

【ICT分野の研究開発の動向】

  • 2020年度企業の研究費のうち情報通信産業の研究費3兆4,970億円(25.2%)で、近年減少又は横ばいの傾向。
  • 2020年度の企業の研究者数のうち情報通信産業の研究者数16万7,283人(32.5%)で、近年横ばいの傾向。
【財・サービスの輸出入額の推移】
(出典)総務省「情報通信産業連関表」(各年度版)を基に作成
【企業研究費の推移】
(出典)総務省「科学技術研究調査」(各年)を基に作成

第2節 電気通信分野の動向

【国内外における通信市場の動向】

  • 通信事業者のRAN(無線アクセスネットワーク)については、マルチベンダー化を実現するOpen RANや仮想化を実現するvRANなどネットワーク機器の構成を刷新する取組が進展。
  • NTN(Non-Terrestrial Network: 非地上系ネットワーク)の構築については、日本でも、携帯電話事業者を中心に取組が進展。

【我が国における電気通信分野の現状】

  • 2020年度の電気通信事業の売上高15兆2,405億円(前年度比2.5%増)で、前年度に引き続き増加傾向。
  • 2021年度末の光ファイバの整備率(世帯カバー率)は、99.3%
  • 固定系ブロードバンドのダウンロードトラヒックは、新型コロナウイルス感染症の発生後に急増
  • 2021年度末の固定系ブロードバンドの契約数は4,383万(前年度比2.7%増)で、移動系超高速ブロードバンドの契約数のうち、3.9-4世代携帯電話(LTE)は1億3,905万(前年度比9.9%減)、5世代携帯電話は4,502万(前年度比3,083万増)、BWAは7,971万(前年度比5.3%増)。
  • 近年、固定通信の契約数は減少傾向にある一方、移動通信及び0ABJ型IP電話は堅調な伸びを示しており、2021年度には移動通信の契約数は固定通信の契約数の約12.8倍
  • 東京のスマートフォン(4G、MNOシェア1位の事業者、新規契約の場合)の料金は、データ容量が月2GB、5GBのプランでは中位の水準、20GBのプランでは低い水準。
  • 2021年度に総務省に寄せられた電気通信サービスの苦情・相談などの件数は18,331件で、前年度から増加。総務省の運営する「違法・有害情報相談センター」で受け付けた相談件数も増加傾向にあり、2021年度の相談件数は2010年度の相談件数の約5倍。
【電気通信事業者の売上高の推移】
(出典)総務省・経済産業省「情報通信業基本調査」(各年)を基に作成
【インターネットトラヒックの推移】
(出典)総務省(2022)「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果(2021年11月分)」を基に作成
【固定系ブロードバンド契約者数の推移】
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和3年度第4四半期(3月末))」を基に作成
【移動系超高速ブロードバンド契約者数の推移】
(出典)総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和3年度第4四半期(3月末))」を基に作成

【新しい技術の開発(例)】

  • IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想
    NTTを中心として、ネットワーク、コンピューティング、半導体の全てに光ベースの技術を導入した技術革新の実現に向けた取組。

第3節 放送・コンテンツ分野の動向

【放送】

  • 2020年度の放送事業者全体の売上高は、3兆5,522億円(前年度比8.1%減)。
  • 2021年度末時点で放送を行っているのは、地上系民間テレビジョン放送(全国)127社(うち兼営31社)、BS放送22社東経110度CS放送20社衛星一般放送4社
  • 2020年度末のケーブルテレビ事業者数464社
  • 2021年度末のNHKの国内放送のチャンネル数は、地上テレビジョン放送2チャンネル、ラジオ放送3チャンネル、衛星テレビジョン放送4チャンネル。
  • 2020年度の放送サービスの加入者数8176.2万件で、そのうち東経110度CS放送及びケーブルテレビ前年度より増加し、その他放送サービスについては前年度より減少
  • 2020年度の放送停止事故の発生件数は384件で、そのうち重大事故は24件で全体の約6%。
【放送産業の市場規模(売上高集計)の推移と内訳】
(出典)総務省「民間放送事業者の収支状況」及びNHK「財務諸表」各年度版を基に作成
【放送サービスの加入者数】
(出典)一般社団法人電子情報技術産業協会資料、日本ケーブルラボ資料、NHK資料及び総務省資料「衛星放送の現状」「ケーブルテレビの現状」を基に作成

【コンテンツ市場】

  • 日本の2020年のコンテンツ市場規模11兆8,275億円。ソフト形態別の市場構成比では、映像系ソフトが全体の約60%
  • 世界の広告市場では、2021年にはデジタル広告が39兆396億円(前年比32.7%増)となり、広告市場全体の成長を牽引。日本では、2021年にはインターネット広告(2兆7,052億円)マスコミ4媒体広告(2兆4,538億円)を初めて超越。
【我が国のコンテンツ市場の内訳(2020年)】
(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」
【日本の媒体別広告費の推移】
(出典)電通「日本の広告費(各年)」を基に作成

第4節 我が国の電波の利用状況

  • 2021年度末の無線局数2億9,198万局(対前年度比5.4%増)で、そのうち携帯電話端末等の陸上移動局は2億8,859万局(対前年度比5.2%増)。
  • 2020年度の混信・妨害申告等の件数は、2,039件(対前年度比8.1%増)
【無線局数の推移】

第5節 国内外における機器・端末関連の動向

【情報端末市場の動向】

  • 2021年の世界の情報端末の出荷額は、79兆6,625億円(前年比10.4%増) 。
  • 2021年の日本の情報端末の生産額は、1兆370億円(前年比3.2%減)。
【世界の情報端末出荷額の推移】
(出典)Omdia
【日本の情報端末生産額の推移】
(出典)経済産業省「生産動態統計調査機械統計編」

【ネットワーク機器市場の動向】

  • 2021年の世界のネットワーク機器の出荷額は、13兆4,520億円(前年比10.9%増)で、携帯基地局と企業向けスイッチが中心。
  • 2021年の日本のネットワーク機器の生産額は、7,743億円(前年比0.5%減)で、無線応用装置とその他の無線通信機器が中心。
【世界のネットワーク機器出荷額の推移】
(出典)Omdia
【日本のネットワーク機器生産額の推移】
(出典)経済産業省「生産動態統計調査機械統計編」

第5節 国内外における機器・端末関連の動向

【半導体市場の動向】

  • 2021年の世界の半導体の出荷額は9兆4,999億円(前年比26.7%増)で、ディスクリート半導体が最も多く、近年大きく成長しているのは画像センサ
  • 2021年の日本の半導体の出荷額は7,412億円(前年比29.6%増)で、ディスクリート半導体が最も多く、全体の半数弱
【世界の半導体出荷額の推移】
(出典)Omdia
【日本の半導体出荷額の推移】
(出典)Omdia

【ICT機器の輸入額・輸出額の推移】

  • 2020年の日本のICT機器の輸出額は6兆871億円(前年比1.1%減)、輸入額は9兆5,804億円(前年比0.5%減)で、3兆4,932億円の輸入超過(前年比0.5%増)。米国は22兆3,201億円の輸入超過(前年比8.8%増)、中国は19兆8,044億円の輸出超過(前年比7.8%減)。
【各国のICT機器の輸出額の推移】
(出典)UNCTAD「UNCTAD STAT」

【世界市場及び日本市場の事業者別シェア】

  • 2021年の世界市場の事業者別シェア(出荷額ベース)では、マクロセル基地局はHuawei(34.0%)、企業向けルータCisco(64.6%)が首位。また、スマートフォンの世界市場のシェア(販売台数ベース)では、首位はSamsung(20.3%)、2位はApple(17.5%)。
  • 2021年の日本市場の事業者別シェア(出荷額ベース)では、マクロセル基地局はEricsson(26.3%)、企業向けルータはCisco(28.8%)が首位。また、スマートフォンの日本市場のシェア(販売台数ベース)では、首位はApple(67.4%)、2位はSamsung(9.4%)。
【世界のマクロセル基地局市場のシェア(2021年)】
(出典)Omdia
【日本のマクロセル基地局市場のシェア(2021年)】
(出典)Omdia

第6節 サービス・アプリケーションの動向

【プラットフォームの動向】

  • 世界のICT関連市場の主要プレイヤーの時価総額は、GAFAMが上位を独占。また、主なプラットフォーマーの2020年の売上高を比較すると、最も大きいのはAmazon(約41兆2,214億円)で、2013年比5.2倍。
【世界のICT市場における時価総額上位15社の変遷】
(出典)2017年は総務省(2018)「プラットフォームサービスを巡る現状と課題」、2022年はWright Investors’ Service, Incから取得(2022年1月14日時点)

【SNS】

  • 2022年1月時点の世界の主要SNSの月間アクティブユーザー数は、Facebookが約29億人に達しており、世界最大

【EC】

  • 2021年の世界のEC市場の売上高は、542.0兆円(前年比19.5%増)。国別には、中国が178.4兆円と最も大きく、次いで米国(101.7兆円)、日本(28.0兆円)、ドイツ(17.2兆円)。

【電子決済】

  • 2020年の世界のモバイル決済での取引額は、214.4兆円。各国のモバイル決済での取引額を比較すると、中国が圧倒的に大きく、次いで米国となっており、日本は欧州諸国と同程度の規模。

【検索サービス】

  • 世界の検索エンジン市場のシェアはGoogleが85%以上。日本では、パソコン・スマートフォンともにGoogleが最大のシェア、スマートフォンではYahoo!も20%程度のシェア。

【動画配信・音楽配信・電子書籍】

  • 2021年の動画配信・音楽配信・電子書籍市場は、世界は合計で14兆1,452億円(前年比21.7%増)、日本では合計で1兆171億円(前年比18.4%増)
【世界の動画配信・音楽配信・電子書籍の市場規模の推移及び予測】
(出典)Omdia、Statista「Digital Market Outlook」
【日本の動画配信・音楽配信・電子書籍の市場規模の推移及び予測】
(出典)【動画配信】GEM Partners、【音楽配信】一般社団法人日本レコード協会を基に作成、【電子書籍】全国出版協会・出版科学研究所

【データセンター市場の動向】

  • 2021年の世界のデータセンターシステムの市場規模(支出額)は、23兆7,069億円(前年比24.0%増)
  • 2021年の日本のデータセンターサービスの市場規模(売上高)は、1兆7,341億円(前年比11.6%増)
【世界のデータセンターシステム市場規模(支出額)の推移及び予測】
(出典)Statista(Gartner)
【日本のデータセンターサービス市場規模(売上高)の推移及び予測】
(出典)IDC Japan

【クラウドサービス市場の動向】

  • 2020年の世界のパブリッククラウドサービス市場規模(売上高)は、35兆315億円(前年比27.9%増)。
    2021年上期は上位5社(Microsoft、Amazon、IBM、Salesforce、Google)が全体の48.1%を占めており、寡占化が進行
  • 2021年の日本のパブリッククラウドサービス市場規模(売上高)は、1兆5,879億円(前年比28.5%増)。
【世界のパブリッククラウドサービス市場のシェア】
(出典)Omdia
【日本のパブリッククラウドサービス市場規模(売上高)】
(出典)IDC Japan

【AI】

  • 世界のAIに関連するソフトウェアの市場規模は、2021年の売上高3,827億円から2022年には前年比55.7%増の5,957億円まで成長する見込み。
  • 日本のAI主要8市場全体の売上金額は2020年度に513億3,000万円(前年度比19.9%増)となり、2025年度には1,200億円に達すると予測。

【仮想空間など】

  • 世界のメタバース市場規模(売上高)は、2021年に4兆2,640億円となり、2030年には78兆8,705億円にまで拡大する見込み。
  • 近年、ブロックチェーンを基盤とする分散化されたネットワーク上で、特定のプラットフォームに依存することなく自立したユーザーが直接相互につながる新たなデジタル経済圏が構築されようとしており、「Web2.0」に続く次世代のフロンティアとして「Web3.0」とも言われる。

第7節 サイバーセキュリティの動向

【世界市場の概況】

  • 世界のサイバーセキュリティの市場は、ランサムウェアなどの標的型サイバー攻撃の急増などにより、2020年には5兆6,591億円となり、2021年には6兆6,072億円(前年比16.8%増)になると予測。
  • 主要事業者として、Cisco、Palo Alto Networks、Check Point、Symantec、Fortinetの5社が2017年から市場シェア上位を占める。
【世界のサイバーセキュリティ市場規模の推移及び予測】
(出典)Canalys推計を基に作成
【世界のサイバーセキュリティ主要事業者】
(出典)Canalys推計を基に作成

【我が国におけるサイバーセキュリティの現状】

  • 2021年にNICTERが観測したサイバー攻撃関連通信数(約5,180億パケット)は、3年前との比較では2.4倍に増加。
    通信内容は、IoT機器を狙ったものが依然として最も多い
  • 国内情報セキュリティ製品のベンダー別シェア(売上額)は、2019年・2020年ともに外資系企業のシェアが高く、海外に依存している状況が継続。
【NICTERにおけるサイバー攻撃関連の通信数の推移】
(出典)NICT「NICTER観測レポート2021」を基に作成
【NICTERにおけるサイバー攻撃関連の通信の内容】
(出典)NICT「NICTER観測レポート2021」を基に作成
【国内情報セキュリティ製品市場シェア(売上高)2019年・2020年】
(出典)IDC Japan, 2021年7月「国内情報セキュリティ製品市場シェア、2020 年:外部脅威対策および内部脅威対策」(JPJ46567421)を基に作成

第8節 デジタル活用の動向

【国民生活におけるデジタル活用の動向】

  • 個人の年齢階層別にインターネット利用率は、13歳から59歳までの各階層で9割を超えている一方、60歳以降年齢階層があがるにつれて利用率が低下する傾向。
  • インターネットを利用している12歳以上の者の約75%がインターネットの利用時に何らかの不安を感じており、不安の内容としては個人情報等の漏洩の割合が最も高い。
【年齢階層別インターネット利用率】
(出典)総務省「通信利用動向調査」
【インターネット利用時に不安を感じる人の割合】
(出典)総務省「通信利用動向調査」

【企業活動における利活用の動向】

  • デジタル化を進める上での課題・障壁として、日本企業は「人材不足(67.6%)」の回答が米国・中国・ドイツの3か国に比べて非常に多い。
  • テレワークの利用状況は、米国・ドイツでは60%弱、中国では70%超の人が利用したことがあるが、日本では30%程度にとどまっている。

【行政分野におけるデジタル活用の動向】

  • 電子行政サービス(電子申請、電子申告、電子届出)の利用状況は、諸外国では60%以上の人が利用しているが、日本では23.8%の人にとどまっている。
【テレワークの利用状況(国別)】
(出典)総務省(2022)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」
【電子行政サービスの利用状況(国別)】
(出典)総務省(2022)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」

第9節 郵便事業・信書便事業の動向

  • 日本郵政グループの2021年度連結決算は、経常収益が約11.3兆円、当期純利益が5,016億円。
  • 2021年度の総引受郵便物等物数は、191億9,273万通・個で、年々減少。
【総引受郵便物等物数の推移】
(出典)日本郵便資料「引受郵便物等物数」各年度版を基に作成

第4章 総務省におけるICT政策の取組状況

第1節 総合的なICT政策の推進

【デジタル田園都市国家構想の実現に向けた取組の推進】

  • 地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことで、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、構想の具体化を図るとともに、デジタル実装を通じた地方活性化を推進するため、2021年11月に内閣総理大臣を議長とする「デジタル田園都市国家構想実現会議」を設置。
  • 総務省では、2021年11月、総務大臣を本部長とする「総務省デジタル田園都市国家構想推進本部」を設置し、構想の実現に向け、「デジタル基盤の整備」「デジタル人材の育成・確保/誰一人取り残されないための取組」及び「地域課題を解決するためのデジタル実装」の3つの柱に基づく取組を推進。
【デジタル田園都市国家構想の実現に向けて】
(出典)新しい資本主義実現会議(第6回)資料3から抜粋

【2030年頃を見据えた情報通信政策の在り方に関する検討】

  • 総務省では、2021年9月、情報通信審議会に「2030年頃を見据えた情報通信政策の在り方」について諮問、同審議会でSociety 5.0の実現や経済安全保障の確保に向けた情報通信政策の方向性や早急に取り組むべき事項などに関する調査検討を実施。
  • 同審議会の答申(2022年6月)は、情報通信産業の戦略的自律性の確保と戦略的不可欠性の獲得を目指すための今後の取組の方向性や、①5Gの普及と高度化、海外展開、②ブロードバンドの拡充等、重点的に取り組むべき8つの領域等を提示。
【Society 5.0の実現に向けた基本的考え方】

第2節 電気通信事業政策の動向

【これまでの取組】

  • 近年、我が国の電気通信市場では、携帯電話やブロードバンドの普及、移動系通信事業者を主としたグループ単位での競争の進展等の大きな環境変化が起きており、そうした環境変化も踏まえた上で公正な競争環境を引き続き確保していくための制度整備や、携帯電話について、国民が低廉で多様な携帯電話サービスを利用できるようにするための公正な競争環境の整備に向けた取組等を実施。
  • また、利用者と事業者との間の情報格差や事業者の不適切な勧誘等による電気通信サービスの利用を巡る様々なトラブルの増大やサイバー攻撃の複雑化・巧妙化などのグローバルリスクの深刻化等に対応するための制度整備等も実施。

【今後の課題と方向性】

  • 電気通信サービスの利用者利益を確保するとともに、我が国の社会全体のイノベーション促進、デジタル化・DX推進を支える基盤としてのデジタルインフラの整備は、一人一人の個人や我が国の社会経済にとって、極めて重要。
  • 今後、電気通信市場のみならず、我が国の社会構造がさらに激変し、我々がこれまで前提としてきた社会・経済モデルが通用しない時代が到来することが予想される中で、先進的な情報通信技術を用いて社会的課題の解決や価値創造を図る必要性が高まっている。
  • このため、我が国のありとあらゆる主体が安心・安全かつ確実な情報通信を活用していく環境の整備を図っていくことが必要。

《具体的な政策・取組》

(1)公正な競争環境の整備(電気通信市場の分析・検証、接続ルールなどの整備)

(2)デジタルインフラの整備・維持(光ファイバ整備の推進、データセンター、海底ケーブルなどの地方分散、ブロードバンドサービスの提供確保)

(3)電気通信インフラの安全・信頼性の確保(電気通信設備の技術基準などに関する制度整備、災害時における通信サービスの確保、電気通信事故の分析・検証)

(4)電気通信サービスにおける安心・安全な利用環境の整備(電気通信事業分野におけるガバナンスの確保、消費者保護ルールの整備、通信の秘密・利用者情報の保護、違法・有害情報への対応、青少年のインターネット利用環境の整備)

(5)電気通信紛争処理委員会によるあっせん・仲裁等

【データセンター、海底ケーブルなどの地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業の概要】

第3節 電波政策の動向

【これまでの取組】

  • 電波法が1950年に制定されて以降、我が国では、国民共有の財産である電波の民間活用を推進してきており、今や電波は国民生活にとって不可欠なもの。
  • 総務省では、国際協調の下での周波数の割当て、無線局の免許を行うとともに、混信・妨害や電波障害のない良好な電波利用環境のための電波監理、電波資源拡大のための研究開発や電波有効利用技術についての技術試験事務などの取組を実施。

【今後の課題と方向性】

  • 携帯電話をはじめとする陸上移動局の無線局の増加傾向は今後も続き、それに伴ってトラヒックが増加することに加え、サブスクリプションサービスなどの新しいサービスの普及に伴うトラヒックの増加なども想定されており、今後も快適な携帯電話などの電波利用環境を維持するためには、現在利用されている周波数の一層の有効利用を進めるとともに、他の用途に使用されている周波数の共用化や、テラヘルツなどの未利用周波数の開拓など周波数の確保が大きな課題。
  • さらに、電波利用をとりまく状況の変化に対応しつつ、良好な電波利用環境を維持していくことが重要。そのため、電波監視や無線設備試買テスト等の取組について、新たな電波利用や無線設備の流通の変化などに対応しながら進めることが必要。

《具体的な政策・取組》

(1)デジタル変革時代の電波の有効利用の促進に関する検討(社会全体のデジタル変革の進展、「デジタル変革時代の電波政策懇談会」での検討、電波法の一部改正、公共用周波数の有効利用に向けた取組、新たな携帯電話用周波数の割当方式の検討)

(2)5G・B5Gの普及・展開(デジタル田園都市国家インフラ整備計画に基づく5Gの普及・展開、Beyond 5G)

(3)先進的な電波利用システムの推進(高度道路交通システム、公共安全LTE、衛星コンステレーション、空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム)

(4)電波システムの海外展開の推進

(5)電波利用環境の整備(生体電磁環境対策の推進、電磁障害対策の推進、電波の混信・妨害の予防)

【デジタル田園都市国家インフラ整備(ロードマップ)】

第4節 放送政策の動向

【これまでの取組】

  • 総務省では、放送事業者・家電メーカーなどと連携し、ハイビジョンより高精細・高画質な4K・8K放送サービスを促進するための取組を推進。また、関係省庁とも連携しながら、放送コンテンツの海外展開の取組を推進。
  • さらに、放送が災害情報などを国民に適切に提供できるよう、ラジオの難聴対策等の放送ネットワークの強靱化に資する取組を推進してきたほか、放送を通じた情報アクセス機会の均等化を実現するため、民間放送事業者等の字幕番組や手話番組等の制作費及び生放送番組への字幕付与設備の整備費に対する助成等により、視聴覚障害者など向け放送の普及を促進。

【今後の課題と方向性】

  • インターネットによる動画配信の普及や視聴者のテレビ離れなど、放送を取り巻く環境は急速に変化。このような状況の変化に対応して、放送の将来像や放送制度の在り方について中長期的な視点で検討するとともに、放送事業の基盤強化、放送コンテンツの流通の促進、放送ネットワークの強靱化・耐災害性の強化等の課題に取り組むことが必要。

《具体的な政策・取組》

(1)公共放送の在り方の検討

(2)外資規制の在り方の検討

(3)放送事業の基盤強化(中長期的な視点からの放送制度の在り方に関する検討、AMラジオ放送に係る取組、新4K8K衛星放送の普及に向けた取組の強化等)

(4)放送コンテンツ流通の促進(放送コンテンツの製作・流通の促進、放送コンテンツの海外展開)

(5)視聴覚障害者など向け放送の普及促進

(6)放送ネットワークの強靱化、耐災害性の強化(ケーブルネットワークの光化、放送事業者などの取組の支援)

【放送コンテンツの海外展開の支援】

第5節 サイバーセキュリティ政策の動向

【これまでの取組】

  • 総務省では、2017年から、セキュリティ分野の有識者で構成される「サイバーセキュリティタスクフォース」を開催、同タスクフォースで総務省として取り組むべき課題や施策を累次取りまとめてきており、直近では、ICTインフラ・サービス等に関する対策を盛り込んだ「ICTサイバーセキュリティ総合対策2021」を策定。これらを踏まえ、ICT分野におけるサイバーセキュリティ対策の推進に向け、諸施策を実施。

【今後の課題と方向性】

  • サイバー攻撃関連の通信については、依然多くの攻撃関連通信が観測されており、その内訳としてはIoT機器を狙ったものの割合が依然として最も多いことから、IoT機器に対するセキュリティ対策を引き続き強化していくことが必要。
  • 社会全体のデジタル化の推進にあたり必要となるテレワークや無線LANなどの導入にあたっては、「セキュリティの確保」や「セキュリティ上の不安」などが引き続き最大の課題となっており、これらのセキュリティ確保も喫緊の課題。
  • また、セキュリティ技術が過度に海外に依存する状況を回避・脱却し、サイバーセキュリティ人材の育成を含めて我が国のサイバー攻撃への自律的な対処能力を高めるために、国内でのサイバーセキュリティ情報生成や人材育成を加速するエコシステムの構築が必要。

《具体的な政策・取組》

(1)情報通信ネットワークの安全性・信頼性の確保(IoTに関する取組、電気通信事業者の積極的な対策に関する取組)

(2)テレワークのセキュリティに関する取組

(3)トラストサービスに関する取組(「トラストサービス検討ワーキンググループ」における検討、国によるタイムスタンプ認定制度の整備、「eシールに関する指針」の策定、デジタル庁における検討)

(4)無線LANセキュリティに関する取組

(5)クラウドサービスの安全性確保に関する取組(政府情報システムにおけるクラウドサービスの安全性評価、「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン」の策定)

(6)セキュリティ人材の育成に関する取組(情報システム担当者を対象とした実践的サイバー防御演習(CYDER)、若手セキュリティ人材の育成プログラム(SecHack365))

(7)「サイバーセキュリティ統合知的・人材育成基盤(CYNEX)」の構築

(8)地域に根付いたセキュリティコミュニティ(地域SECUNITY)の形成促進

(9)国際連携に関する取組

【実践的サイバー防御演習(CYDER: Cyber Defense Exercise with Recurrence)】

第6節 ICT利活用の推進

【これまでの取組】

  • 総務省では、少子高齢化とそれに伴う労働力の不足、医療・介護費の増大、自然災害の激甚化など、我が国が抱える社会・経済問題の解決に向け、医療・健康、地域活性化など様々な分野でのICT利活用を推進。

【今後の課題と方向性】

  • 企業によるICTの利活用により、情報銀行等の新たなビジネスモデルの創出が可能となるほか、キャッシュレス決済やクラウドサービスの推進が進むことで企業と国民の両方が便益を享受することができ、我が国の経済活性化に貢献。
  • 全体的に見るとICTの利活用が進展する一方で、年齢や地理的条件などによってインターネット利用率に一定の差異が見られる。今後、「誰一人取り残さない」デジタル化を実現するためには、高齢者を含む国民のデジタル化への不安感・抵抗感を解消し、デジタル活用能力の向上に向けた取組を進める等、年齢的・地理的条件などによるデジタル格差を是正することが必要。
  • 青少年がスマートフォンやSNSなどの利用によるリスクとその対応策を理解した上でそれらを安心・安全に利用することができるよう、青少年及び保護者、学校などの関係者含む社会全体のメディア情報リテラシーの向上を図ることが非常に重要。

《具体的な政策・取組》

(1)社会・経済的課題の解決につながるICTの利活用の促進(ローカル5Gの推進、テレワークの推進、スマートシティ構想の推進、教育分野におけるICT利活用の推進、医療分野におけるICT利活用の推進、防災情報システムの整備、マイナンバーカード・公的個人認証サービスの利活用の推進)

(2)データ流通・活用と新事業の促進(情報銀行の社会実装、キャッシュレス決済の推進、クラウドサービスの導入促進、ICTベンチャーの発掘・育成、AIの普及促進)

(3)誰もがICTによる利便性を享受できる環境の整備(情報バリアフリーに向けた研究開発への支援、公共インフラとしての電話リレーサービスの提供、公共機関のホームページのアクセシビリティの向上、高齢者等のデジタル活用に対する支援、青少年のメディア情報リテラシーの向上)

【デジタル活用支援推進事業の全体像】

第7節 ICT技術政策

【これまでの取組】

  • 総務省では、2020年に策定した「Beyond 5G推進戦略」に基づくBeyond 5Gの研究開発戦略や知財・国際標準化を推進するとともに、政府全体の成長戦略、科学技術・イノベーション基本計画、統合イノベーション戦略(AI戦略、量子技術イノベーション戦略)、知的財産推進計画、宇宙基本計画などに基づき、ICT分野の先端技術の研究開発や国際標準化活動を推進。

【今後の課題と方向性】

  • これまでの研究開発戦略や知財・国際標準化戦略をさらに具体化した上で産学官が一体となってこれを推進することにより、開発成果の社会実装や市場獲得などの実現と、日本の国際競争力強化や経済安全保障の確保につなげていくことが必要。
  • また、ポストコロナにおける経済成長と社会課題の解決に対応し、今後の情報通信分野の技術動向や政府全体のイノベーション政策動向などを踏まえながら、強靱で活力のある2030年代の社会を目指したICT技術戦略の検討・策定を進めるとともに、先端技術開発や知財・国際標準化活動を戦略的に推進していくことが必要。

《具体的な政策・取組》

(1)Beyond 5G(Beyond 5Gを取り巻く国際動向、Beyond 5Gに向けた潜在的競争力、政策の動向)

(2)量子技術(量子セキュリティ・ネットワーク政策の動向、量子暗号通信技術に関する研究開発)

(3)AI技術

(4)リモートセンシング技術

(5)宇宙ICT

【Beyond 5G研究開発促進事業(基金)のスキーム】

第8節 ICT国際戦略の推進

【これまでの取組】

  • 総務省では、ICTインフラシステムの海外展開について、案件発掘、案件提案、案件形成などの展開ステージに合わせ、人材育成・メンテナンス・ファイナンスなどを含めたトータルな企業支援を通じて精力的な取組を実施。
  • また、米国をはじめとした2国間での政策対話やG7、G20などの多国間の場を活用し、国際ルール形成に向けたデジタル経済に関する議論や国際的なルール形成に関する議論などに積極的に関与し、国際的な枠組み作りに貢献。
  • さらに、光海底ケーブルや5Gネットワークなどのデジタルインフラがあらゆる社会活動、経済活動に不可欠な社会の基幹的インフラとなる一方で、経済安全保障上の懸念も生じており、国際協調などを通じ、経済安全保障の確保への取組も実施。

【今後の課題と方向性】

  • デジタル技術の開発競争が激しさを増す中、二国間、多国間での連携により我が国のデジタル技術の普及、開発の土壌を整備し、国際競争力を高めて世界に対してプレゼンスを示していくことは我が国の経済の発展のために重要。
  • 我が国のデジタル技術の国際競争力強化及び世界の社会課題解決の推進を目的に、国際協調などを通じて、デジタル分野などの海外展開、国際的な枠組み作りなどの活動を実施。

《具体的な政策・取組》

(1)デジタルインフラなどの海外展開(総務省における海外展開支援ツール、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)、分野ごとの海外展開に向けた取組)

(2)デジタル経済に関する国際的なルール形成などへの貢献(信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)、サイバー空間の国際的なルールに関する議論への対応、ICT分野における貿易自由化の推進、戦略的国際標準化の推進)

(3)デジタル分野の経済安全保障の確保

(4)多国間の枠組における国際連携(G7・G20、アジア太平洋経済協力(APEC)、アジア・太平洋電気通信共同体(APT)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、国際電気通信連合(ITU)、国際連合、世界貿易機関(WTO)、経済協力開発機構(OECD)、ICANN)

(5)二国間関係における国際連携(米国との政策協力、欧州との協力、アジア・太平洋諸国との協力、中南米諸国との協力、その他地域との協力)

【デジタル海外展開プラットフォーム】

第9節 郵政行政の推進

【これまでの取組】

  • 1871年に始まった郵政事業は、日本の成長と歩調を合わせるように、全国隅々にまで郵便局を通じたユニバーサルサービスを提供するとともに、時代の転換に併せて、その実施形態を国営・公社・民営化と変えてきた。
  • 総務省では、日本郵政グループの経営の健全性と公正かつ自由な競争の確保、郵便局が提供するユニバーサルサービスの確保、郵便局ネットワークの地域での活用等の取組を実施。

【今後の課題と方向性】

  • 日本郵政グループを取り巻く社会環境が変化する中にあっても、日本郵政グループが民間企業として必要な業績を確保しつつ、郵便局ネットワークとユニバーサルサービスが中長期的に維持されていくとともに、郵便局とその提供するサービスが国民・利用者への利便性向上や地域社会への貢献に資することが重要。
  • 総務省では、引き続き日本郵政グループの経営の健全性と公正かつ自由な競争を確保し、郵便局が提供するユニバーサルサービスの安定的な確保を図るとともに、約2万4千局の郵便局ネットワークを有効に活用し、デジタル化の進展にも対応しながら、新たな時代に対応した多様かつ柔軟なサービス展開、業務の効率化などを通じ、国民・利用者への利便性向上や地域社会への貢献を推進していくことが必要。

《具体的な政策・取組》

(1)郵政行政の推進(郵政事業のユニバーサルサービスの確保、郵政事業の経営の健全性の確保、地域活性化への貢献)

(2)国際分野における郵政行政の推進(万国郵便連合(UPU)への対応、日本型郵便インフラの海外展開支援)

(3)信書便事業

【2021年10月以降に実施されている郵便サービスの一部見直しの内容】
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