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第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト
第1章 地球的規模で浸透するICT

第1章 地球的規模で浸透するICT

ICTは、その能力の指数関数的な向上及び価格低下に伴い、世界全体に急速に浸透し、ICT産業にとどまらず、他の産業や社会全体、企業のビジネスモデル、個人のライフスタイルなど様々な領域で大きな変化をもたらしている。

スマートフォンへのシフト、コモディティ化、新興国市場の拡大は、従来の市場競争のあり方を根本から変えることで、個々の企業の競争力・業績に大きな影響を与え、環境変化に適応した企業が業績を拡大する一方、従来型の市場で大きなマーケットシェアを持っていた企業が業績の不振に苦しんでいる。また、新興国においては、新たな企業が勃興しローカル市場で存在感を高め、また、海外市場への展開を窺っている。途上国においては、普及したICTを活用して様々な社会的課題の解決を図る取組が行われている。

また、「ムーアの法則」に代表されるコンピュータ処理能力の指数的向上、M2Mの普及等は、従来、利用することが困難だった多量多種のデータの収集、蓄積等をリアルタイムで行うことを可能とし、これらを分析することで未来の予測や異変の察知を行い、消費者個々のニーズに即したサービスの提供、業務運営効率化や新産業創出等が可能となっている。

加えて、スマートフォンやSNS等の普及は人々のライフスタイルやワークスタイルに大きな変化をもたらし、人々の情報行動1を大きく変化させるとともに、新たな就業のスタイルを生み出しているほか、昨今注目が高まっているウェアラブル端末や車のICT化等のICTの新たな潮流は、人々の生活にさらなる変革をもたらすことであろう。

本年の情報通信白書では、これらICTの全世界的かつ生活のあらゆる局面での浸透とそれに伴う不可逆的な経済・社会的な大変革をパラダイムシフトととらえ、その進展状況と今後の動向を展望する。

具体的には、第1章では、ICTの地球的規模での浸透と途上国での様々な社会的課題の解決に向けた活用の状況を示す。

第2章では、我が国産業界におけるICT利活用の現状及び成長のエンジンとしてのICTの意義を示しつつ、各国ICT産業の現状を踏まえた上で、ICT分野における我が国の国際競争力強化に向けた方向性を探る。

第3章では、大量のデータ活用を可能とした技術革新を踏まえつつ、産業界におけるビッグデータの先進的な取組を紹介しつつ、我が国におけるデータ流通量やビッグデータ活用による経済効果を示す。

併せて、G空間情報やオープンデータ活用推進に向けた官民の取組やパーソナルデータに対する国民の意識を示しつつ、本格的なデータ活用社会が到来している様を明らかにする。

第4章では、アンケート調査をもとに、スマートフォン等の急激な普及が国民のライフスタイル等にどのような変化を及ぼしているかを紹介する。併せて、行政、街づくり、医療・ヘルスケア、農業、教育等におけるICTを活用した先進的活用事例を示し、ネットリテラシーやセキュリティ等ICTの進化で生まれる新たな課題と対応についても紹介する。



1 「情報を入手する。」「情報を発信する。」「情報を人と共有してコミュニケーションを取る。」など、人が情報に関わる行動のこと。

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