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第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト
第2節 ICT産業構造のパラダイムシフト

(2) ICTサービスレイヤー

ICTサービス分野では、米国企業がアジア太平洋(成熟国)を除く全ての地域で高いシェアを獲得している以外、日本企業はアジア太平洋(成熟国)で高いシェアを得ているものの、多くの企業は母国地域でシェアを獲得している状況が続いている。加えて、現状では規模は小さいものの、アジア企業が世界各地域においてシェアを伸ばしており市場を拡大していることがうかがえる(図表2-2-2-4

図表2-2-2-4 ICTサービスレイヤーの企業国籍別の展開動向10
(出典)Gartner「Market Share: IT Services, 2013, Kathryn Hale他共著(2014/3/31)」より総務省作成

急成長しているクラウドの世界市場を例にみても、AmazonやSalesforce、Microsoft、IBM、Googleなど米国企業がシェアを固めており、日本企業は富士通とNTTがその後に付けているものの過半数は米国企業が抑えている状況にある(図表2-2-2-5)。

図表2-2-2-5 クラウド市場のシェア(IaaS+PaaS計)
(出典)米国Synergy Research

また、個社の収益状況の変化を見てみると、海外展開による事業拡大が見てとれる。システム構築やクラウド等に強みを持つSIerでは、上位レイヤーへの事業展開を進めるIBMやCSCが存在感を持っており、自社の強みを持つソフトウェア系のOracleやSAPも高い利益率を確保している。加えて、ネットワーク構築やデータセンター等に強みを持つEquinixやSalesforce、DRT等のNIerは積極的に海外展開を推し進めているのが特徴である(図表2-2-2-6)。

図表2-2-2-6 ICTサービスレイヤーにおける海外利益率と営業利益率
(出典)総務省「ICT産業のグローバル戦略に係る成功要因及び今後の方向性に関する調査研究」(平成26年)
「図表2-2-2-6 ICTサービスレイヤーにおける海外利益率と営業利益率」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら


10 アジア太平洋(成熟国)におけるマイナス値については、米国ドル換算のため2013年の日本円安およびオーストラリアドル安の影響が大きい(両市場とも、現地通貨換算においては+2.4%の成長)。

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