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第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト
第3節 我が国ICT産業の国際競争力強化に向けた方向性

(2) 我が国のICT産業における強みと弱み

総務省にて実施したアンケート結果3において、我が国ICT企業におけるグローバル展開の「強み」「弱み」を聞いてみたところ、全体的には「強み」としては、「機能・品質」、「技術・研究開発力」、「商品開発力」、「顧客対応」等の指摘率が高く、「弱み」としては「価格競争力」、「現地化能力」、「意思決定速度」、「調達力・スピード」等の指摘率が高い結果となった。

さらに、上位レイヤーとそれ以外のレイヤーを比較してみると、顕著に異なるのは「意思決定速度」であり、上位レイヤーにおいては「弱み」「強み」の順位としては中央付近だが、ICTサービスや通信・通信機器及び端末レイヤーになると「弱み」と認識する傾向が強くなる傾向にある。また「価格競争力」の面においては、全レイヤーともに「弱み」と答える傾向にあるが、特に端末レイヤーにおいては6割を超えて「弱み」と認識しており顕著な傾向を示している。

一方で、「商品・サービスの機能・品質」は下位レイヤー程「強み」ととらえており、「ブランド力」においては、端末レイヤーのみ「強み」と感じているのも特徴的であり、我が国の製造業の高い品質と信頼性が表れているものと考えられる(図表2-3-1-5)。

図表2-3-1-5 我が国ICT産業における強みと弱み
(出典)総務省「ICT産業のグローバル戦略に係る成功要因及び今後の方向性に関する調査研究」(平成26年)
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その上で海外展開における課題を聞いてみたところ、全般的にコモディティ化の影響が強い下位レイヤーほど課題認識が高くなる傾向となった。特にレイヤー間で差が大きく出たのは「研究開発力・技術力の低下」であり、端末レイヤーにおいては8割を超える率で課題として認識しており、「現地顧客に対するマーケティング」についても当該レイヤーが強く課題としている状況にある。また、人材面についても端末レイヤーの課題認識が強いが、「海外展開を推進するのに必要な人材の不足、育成環境などが未整備」にはICTサービス及び通信・通信機器レイヤーも8割を超える高い率で課題として認識している結果となった(図表2-3-1-6)。

図表2-3-1-6 海外展開における課題
(出典)総務省「ICT産業のグローバル戦略に係る成功要因及び今後の方向性に関する調査研究」(平成26年)
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3 アンケート会社のウェブアンケート法人モニターのうち、ICT分野に係る業種に従事し、当該事業者において一定の経営方針等を把握もしくは認識している従業員に対し実施(有効回答数1,006サンプル)。詳細は巻末付注2-1参照。

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