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第2部 情報通信の現況・政策の動向
第6節 研究開発の推進

6 その他の研究開発

(1) ユニバーサル・コミュニケーション基盤技術

NICTでは、真に人との親和性の高いコミュニケーション技術を創造し、国民生活の利便性の向上や豊かで安心な社会の構築等に貢献するため、次の技術の研究開発を推進している。

ア 多言語コミュニケーション技術

多言語コミュニケーション技術とは、日本語と複数の他の言語との間で、自動的に翻訳するために必要な技術である。平成25年度については、翻訳精度の向上を図り、平均40語以上の長文翻訳を可能とし、記憶容量の削減を達成することで、特許翻訳分野での商用化を実現した。識別学習を用いて高精度な音響モデルと大語彙言語モデルを構築し、大規模探索空間を効率的に探索するアルゴリズムを用いて、日本語、英語、中国語音声を実時間で高精度に音声認識する技術を研究開発し、スマートフォンへの日本語音声入力として商用化を実現した。

イ コンテンツ・サービス基盤技術

コンテンツ・サービス基盤技術とは、インターネット上のビッグデータから価値のあるものを発見し、その有効活用を可能とする技術である。平成25年度については、数億のWebページを情報源とする質問応答技術や未来に関する仮説的シナリオを自動生成する技術等の高度化を行った。さらに、PM2.5(大気汚染物質の1つで、直径2.5μm(1μm=0.001mm)以下の微小粒子状物質)や気象等のセンサーデータからSNS等のソーシャルデータまで100万件を超える異種・異分野情報資産の中から相関の高いデータを横断的に検索し関係性を可視化分析する技術の開発等を行った。

ウ 超臨場感コミュニケーション技術

超臨場感コミュニケーション技術とは、真にリアルで、人間に優しく、心を豊かにする意思伝達を可能とするための、三次元映像・立体音響・五感情報伝達を一体的に実現する技術である。平成25年度については、200インチ裸眼立体ディスプレイを用い、多視点立体映像圧縮符号化の新たな情報低減方式について実証実験を行い、性能評価を実施した。また、電子ホログラフィ技術の確立に向けて表示装置を改良した。このほか、未成年者を対象とした3D映像の疲労評価実験の詳細な分析結果の公表等を行った。

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