平成18年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミー

2 Web2.0の概念

 Web2.0の特色として、「利用者参加」と「オープン志向」という二点を挙げることができる。

(1)利用者参加
 Web2.0では、サービス提供者は利用者を「信頼できる生産的な協力者」として位置付けており、多くの利用者がコンテンツの制作、サービスの開発等に積極的に参加する。代表的な例としては、オンライン百科事典のウィキペディアがある。
 また、このような利用者参加を容易にしているのが、第5節で取り上げるブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS:Social Networking Service)等の消費者発信型メディア(CGM:Consumer Generated Media)である。消費者発信型メディアを利用することで、利用者は自主的に様々な情報を公開することが容易となり、利用者同士が結び付き、他の利用者の情報源となる。
 このような発想をビジネスに応用した例として、書籍等のオンライン販売を行っているAmazon.comのカスタマーレビュー2がある。ここでは、多くの利用者がコメントを付すことによりサービスの価値が高まる。また、利用者のコメントの集積は、自社サービスの改善点等に関するフィードバックを得る意味でも重要となっている。

(2)オープン志向
 Web2.0では、サービス提供者が、自ら保有する情報(データベース等)を広く公開し、他者による利用を積極的に促すというオープン志向が多く見られる。
 例えば、GoogleやAmazon.com等は、自社のデータベースや自社のシステムへのアクセス方法を示すAPI(Application Program Interface)を公開しており、誰でもそのデータベースやAPIを活用して新しい機能等を追加したサービスを開発することが可能となっている3。このようなオープン志向の背景には、自社が公開した情報を利用するサービス開発が広範に行われることにより、自社だけでは考えつかなかったような開発手法や応用方法が生み出され、自社サービスへのフィードバックが可能となるとともに、自社サービスの利用範囲が拡大することが期待される。


2  利用者が各商品に対するコメントを付す機能。掲載された情報は購入に際して参考情報として利用されている
3  この開発手法は、「マッシュアップ」と呼ばれている

 第4節 ユビキタスネットワークによる新しい潮流

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