平成18年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

コラム ウェブアクセシビリティの確保

1 ウェブアクセシビリティの重要性

 情報通信技術の進歩により、様々なサービスがインターネットを通じて提供されるようになってきているが、これらは高齢者や障害者にとっても様々な恩恵をもたらすものとして期待されている。例えば、以前は印刷物での情報提供しかなかったものが、ホームページでの情報提供が行われるようになったことで、全盲の視覚障害者でも画面読み上げソフト等を利用することにより、他人の力を借りずに情報を入手できるようになっている。また、今後電子申請が一般的になれば、移動が不自由な高齢者や障害者が自宅にいながら様々な行政手続を行うことが可能となる。
 しかしながら、ICTを活用して提供されるサービスが充実すればするほど、それらのサービスが利用できない場合の不利益も深刻となり、障害者や高齢者も含めたあらゆる人々がそれらのサービスを利用することができること、すなわちアクセシビリティの確保が重要な課題となっている。
 総務省では、ウェブアクセシビリティの重要性への理解を促すため、障害者のウェブ利用の様子を紹介するビデオ映像や、実際の取組の際に有用な手順書・ワークシート等をホームページにおいて公開している。

2 ウェブアクセシビリティの例

 高齢者や障害者がICTを活用して提供されるサービスを利用できるかどうかは、ホームページ等の設計者や運用者が、多様な利用者を想定し、アクセシビリティの確保について、きちんとした対応を取っているかどうかに依存している。
 ウェブアクセシビリティの例をいくつか挙げると、まず全盲の視覚障害者の場合、ホームページ等の内容を、画面の内容(文字)を音声で読み上げるソフト(スクリーンリーダ)等を使って理解している。したがって、写真などの画像情報については、そのままでは内容を把握できないので、「代替テキスト」を設定し、画像が示す内容を読み上げさせなければならない(図表1)。また、色覚障害者や白内障の高齢者など色の識別が難しい人たちへの配慮としては、色だけで情報を示さず、文字なども併用する工夫が必要となる(図表2)。上肢障害のために細かなマウス操作が困難な人のためには、小さな部分を選択させるのではなく、なるべく大きな部分を選択できるような配慮が必要である(図表3)。
 
図表

 第7節 デジタル・ディバイドの解消及び人材育成

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