平成18年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

2 放送政策の展開 〜放送政策全般・トピック〜

1 放送分野における個人情報保護

 平成17年4月1日に「個人情報の保護に関する法律」が全面施行されたが、総務省では、これに先立ち、放送分野については、「放送受信者等の個人情報の保護に関する指針」(平成16年総務省告示第695号)を制定した。
 また、放送分野における個人情報保護の実効性のある取組を支援するため、「放送法関係審査基準」(平成13年1月6日総務省訓令第68号)の一部改正(平成17年4月1日施行)や「人工衛星によるデジタル放送に係る有料放送役務標準契約約款」(平成17年総務省告示第236号)の制定(平成17年4月1日施行)を行った。
 さらに、平成17年4月12日に、放送分野における認定個人情報保護団体として、(財)放送セキュリティセンターを認定した。同センターでは、対象事業者の個人情報の取扱いに関する苦情の解決や個人情報の適切な取扱いの確保に寄与する事項についての対象事業者に対する情報の提供等の業務を行っている。

2 放送局の外資規制の見直し

 地上放送は、国民的財産である公共の電波を使用するものであり、その有限希少性が強く、また、災害時等において国民生活に不可欠な情報を伝達するという大きな役割を担っており、災害対策基本法における指定地方公共機関等としても位置付けられている。
 近年における我が国への対内投資の増加、株式保有・出資の在り方の急激な変化等の状況変化を受け、総務省では、地上放送の外資規制について、現在ある直接出資規制に加えて、新たに間接出資規制を導入するため、平成17年4月、「電波法及び放送法の一部を改正する法律案」を国会に提出し、11月2日に成立し、平成18年4月1日に施行された。

※参考
【放送局に対する外資規制の在り方の見直し】

現行 直接出資< 1 / 5 →
改正後 直接出資+ 間接出資< 1 / 5

1 地上放送について間接出資規制を導入する。【電波法第5条第4項の改正】

2 間接出資規制の基本的な枠組みは、NTTの例(参考2)を参考とし、具体的な計算方法等については省令で規定

3 その他【放送法第52条の8等の改正】
 間接出資に係る日本法人からの名義書換請求に応じて株主名簿に記載すると、外資規制に抵触することとなる場合、名義書換請求を拒否できる旨の規定の整備等所要の措置を実施

3 マスメディア集中排除原則1の改正

 総務省は、電波法第7条第2項第4号に基づく総務省令(放送局の開設の根本的基準第9条)に規定するマスメディア集中排除原則に定める出資制限の上限を超えて放送局に対する出資が行われてきたとされる事例について放送事業者に対し点検・調査したところ、73社に違反の事実があることがわかり、平成17年3月に行政指導を行った。
 このような背景を受け、同時に、それを機に放送局の再免許等に係る審査体制を強化することを目的に総務省では、マスメディア集中排除原則の改正を行った(平成17年7月15日公布・施行)。
 具体的には、
 1 一般放送事業者等の議決権を有する者に関する事項及び一般放送事業者等自らが他の一般放送事業者等の議決権を有する状況を把握するための様式を追加
 2 一般放送事業者等を支配している者の状況について、総務大臣が別に定める事項をインターネット等の利用により公表
 3 上記1に変更があった場合には、届出を行うことを追加
 4 上記2のインターネット等の利用により公表する事項を規定
等の改正である。


1  マスメディア集中排除原則
 放送メディアの寡占化を排し、表現の自由と言論の多様性を確保するために設けられている規定
 同原則によれば、同じ都道府県にある複数の地上放送局(テレビ局・ラジオ局)について、同じ者が同時に10%以上の株式(株主議決権)を保有してはならず、別の都道府県にある複数の放送局について、同時に20%以上の株式を保有してはならない

 第2節 情報通信政策の展開

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