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第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第2節 電気通信分野の動向

3 通信分野における新たな潮流

(1) オール光ネットワーク

オール光ネットワーク技術は、有線ネットワークや情報通信装置・デバイスに光電融合技術を活用し、電気信号-光信号の変換を極力なくすことにより、低消費電力・低遅延・大容量を実現する次世代情報通信基盤の中核技術であり、ゲームチェンジャーになり得るものである。主なユースケースとしてはデータセンター間の高速・低遅延接続であり、昨今の動向を踏まえて、生成AI技術との連携も進められている。NTTコミュニケーションズ株式会社は、光電融合で接続した3拠点のデータセンターにGPUサーバーを分散配置した環境で、LLMの学習実証実験に世界で初めて成功した18。光電融合の高速・低遅延接続により、GPUサーバー間のデータ転送が迅速かつ効率的に行われ、小規模なAIモデルの事前学習や追加学習などの比較的軽量な処理に対して、単一のデータセンターと遜色ない性能を発揮でき、これにより、複数のデータセンター環境で柔軟にGPUクラスタを構築し、効率的なリソース利用を実現することが期待できる。

加えて、オール光ネットワークを活用することにより、現在、大都市圏に集中するデータセンター拠点の、再生可能エネルギーが活用可能な地域等への分散化が促進されることが期待される。これにより、我が国のAI開発力の強化やAI利活用を促進し、低環境負荷(グリーン)で安全・安心で信頼できるAIを社会全体に提供することが期待されている。



18 https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2025/0319.html別ウィンドウで開きます

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