総務省では、政府の「インフラシステム海外展開戦略20304」(2024年12月24日経協インフラ戦略会議決定)の一環として、日本型郵便インフラシステムの海外展開を推進している。こうした取組等に関して、近年の郵政事業を巡る課題等も踏まえた上で、官民による一層の連携のもと、より効果的に推進していくため、総務省は、2023年12月より「郵政グローバル戦略タスクフォース」を開催し、2024年7月に、郵政事業分野におけるグローバル展開に関する官民による当面の取組方策について取りまとめ、公表したところである5。
日本型郵便インフラシステムの海外展開は、新興国・途上国を中心に、我が国の郵便に関連する優れた技術・システムや業務ノウハウを提供し、相手国の郵便サービスの品質向上や郵便業務の最適化を支援するものである。これまで、主に東南アジアを中心に取組んできたが、近年では中東欧・コーカサス地域・中央アジアにも新規開拓を進めている。区分局で利用される機材などの周辺ビジネスの獲得を図りつつ、相手国の郵便事業全般に係るニーズや課題の把握に努め、更に近年では、eコマースの普及による小型小包の数量増加やデジタル変革、グリーン化などの新たなビジネスの可能性も探ることで、関連の分野において技術・知見を有する我が国企業の参入を促している。
2024年度には、フィリピン共和国における郵便ネットワーク及び国際交換局業務の最適化に関する調査研究、カザフスタン郵便における区分局業務及び物流・輸送管理の最適化に向けた調査研究、アゼルバイジャン郵便における区分局機能の強化に向けた実証実験を実施した。引き続き各国との協力事業を深掘りしていくとともに、新たな協力対象国の発掘に向けて、郵便関連の国際会議等への積極的な参加を通じた諸外国の郵便事業体との関係構築や、諸外国の郵便事情に関する基礎調査等を実施していくことで、日本型郵便インフラシステムの海外展開を推進していく。
4 インフラシステム海外展開戦略2030(令和6年12月会議決定):https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keikyou/dai58/siryou6.pdf
5 郵政グローバル戦略タスクフォース:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/postalservice_globalstrategy/index.html