世界のAI市場規模(売上高)は、2024年には1,840億ドル、2030年には8,267億ドルまで拡大すると予測されている(図表Ⅱ-1-9-1)。日本のAIシステム1市場規模(支出額)は、2024年に1兆3,412億円(前年比56.5%増)となっており、今後も成長を続け、2029年には4兆1,873億円まで拡大すると予測されている(図表Ⅱ-1-9-2)。
また、AIの社会実装が進んでおり、文章、画像、音声、動画などをAIが生成する、いわゆる生成AIが注目されている。世界の生成AI市場は、2023年の205億ドルから、2024年には361億ドル(AI市場全体の19.6%)、2030年には3,561億ドル(同43.1%)まで拡大すると予測されている。背景には、ChatGPTが2022年に公開されて以降、Gemini、Copilot、DeepSeekなど数多くのモデル・サービスが登場し、急速に普及が進んでいることが挙げられる。企業でもプログラミング、文章の要約、マーケティング、コールセンターやカスタマーサポート、イラストやポスター作成など様々な用途で活用が進んでおり、これまでは人手不足対策や業務効率化の目的で利用されることが多かったものの、今後は新たなサービス創出を目指した活用も進むとみられる。また、生成AI技術を活用したAIエージェント4やフィジカルインテリジェンス5 分野の発展も市場拡大を後押しするとみられる(図表Ⅱ-1-9-3)。
1 AI機能を利用するためのハードウェア、ソフトウェア・プラットフォーム及びAIシステム構築に関わるITサービス
2 https://www.statista.com/forecasts/1474143/global-ai-market-size
3 https://my.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ53362125
4 人の介入なしに特定のタスクを自律的に実行するAIシステム
5 AIと機械(ロボット等)が高度に融合することで実現するシステム
6 https://www.statista.com/forecasts/1449838/generative-ai-market-size-worldwide