第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第7節 ICT技術政策の動向

6 宇宙ICT

宇宙通信分野は、宇宙活動の中でも特に市場規模が大きく、かつ成長が期待されている分野である。わが国でも災害時、離島、海上や山間部等で宇宙通信の利用が進んでいるなど、耐災害性や安全保障の確保の観点からの重要性も増している。海外においても、様々な企業が宇宙通信に関する新たな技術開発やサービス開発に取り組んでいる状況にあり、我が国として宇宙通信の自立性及び自律性を向上していくためには、通信サービスを提供する事業と通信機器等を製造する事業双方が国際競争力を確保していくことが必要となっている。このような状況を踏まえ、総務省では宇宙における通信及び電波利用の高度化等を推進しており、例えば、宇宙戦略基金を活用し、衛星光通信を活用したデータ中継サービスの実現に向けた研究開発・実証や、衛星通信と地上ネットワークの統合運用実現に向けた周波数共用技術等の開発・実証を進めようとしているところである。

また、太陽フレア発生に伴う太陽からの放射線等が、電波を用いた通信や衛星測位等に支障を及ぼす恐れがあるところ、NICTでは24時間365日にわたり宇宙天気予報を実施しており、さらに、宇宙天気予報の高度化のため、次期静止気象衛星(ひまわり10号)に搭載する宇宙環境計測装置の開発を進めている。

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