総務省では、サイバー空間の国際的なルールづくりに関し、①民主主義を支えるだけでなく、イノベーションの源泉として経済成長のエンジンとなる情報の自由な流通に最大限配慮すること、②サイバーセキュリティを十分に確保するためには、実際にインターネットを利用し、ネットワークを管理している民間企業や学術界、市民社会などあらゆる関係者の参画(マルチステークホルダーの枠組)が不可欠であることの2点を重視している。これを踏まえ、デジタルエコノミーに関する日米対話(日米DDE)など二国間対話において関連の議題を取り上げ、同志国との連携を強化することに加えて、2022年4月には、コアメンバー国(日本、米国、オーストラリア、カナダ、EU、英国)及び有志国において、「未来のインターネットに関する宣言」を立ち上げるなど、多国間会合における議論にも積極的に参加している。
サイバーセキュリティに関する二国間の政府の議論については、日本・米国間で2024年6月に「第9回日米サイバー対話5」、日本・英国間で同年9月に「第8回日英サイバー対話6」、日本・EU間で同年11月に「第6回日・EUサイバー対話7」が開催され、情勢認識、両国または日本・EUにおける取組、国際場裡における協力、能力構築支援などについて議論を行うなど、各国との連携強化を進めている。
サイバーセキュリティに関する多国間の議論については、日ASEANサイバーセキュリティ政策会議などにおいて、各国の取組状況やASEAN地域に対する能力構築支援の状況などに関する意見・情報交換が行われている。また、日本・米国・オーストラリア・インド4か国のいわゆるクアッドの取組の下で、サイバーセキュリティに関する協力について合意されており、政府一体となって同志国との連携強化に向けた議論が行われ、2022年5月の首脳会合共同声明にて「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ:共同原則8」が公表された。
5 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_00828.html
6 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_01161.html
7 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_01382.html
8 https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100347891.pdf