世界のサイバーセキュリティの市場(売上高)は引き続き堅調で、2024年には前年同期比9.7%増加の867億ドルとなっている(図表Ⅱ-1-10-1)。
サイバーセキュリティ市場の主要事業者として、2019年からPalo Alto Networks、Cisco、Fortinetの3社が世界上位3位の市場シェアを獲得していたが、2024年第2四半期時点ではCiscoに代わりMicrosoftが上位3位に入っている。近年はトップシェアであるPalo Alto Networksの市場シェアが拡大し、10%に迫る勢いとなっている。また、Microsoftは近年急速にシェアを拡大しており、Microsoft 365 E5 Securityなど高度なセキュリティ機能をMicrosoft 365シリーズの一つとして提供しており、導入のしやすさも含めて評価されていると考えられる。
【関連データ】世界のサイバーセキュリティ主要事業者
URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/datashu.html#f00277(データ集)
2023年の国内の情報セキュリティ製品市場(売上高)は、前年比12.0%増の5,574億400万円となった。セキュリティ製品の機能市場セグメント別では、エンドポイントセキュリティソフトウェアやネットワークセキュリティソフトウェアなどを含む、セキュリティソフトウェア市場の2023年の売上額が4,965億1,100万円で全体の89.1%を占め、コンテンツ管理、UTMやVPNなどを含むセキュリティアプライアンス市場は608億9,300万円で全体の10.9%となった。
また、2022年及び2023年の国内情報セキュリティ製品のベンダー別シェア(売上額)について、市場全体のシェア率が2%以上の企業を「外資系企業」と「国内企業」に分類し、それら企業における2022年及び2023年の売上額を集計した結果、ともに外資系企業のシェアが5割程度を占めており、国内のサイバーセキュリティ製品はその多くを海外に依存している状況が引き続いているといえる(図表Ⅱ-1-10-2)。