総務省では、幅広い世代でのICTの利用機会の拡大や、インターネット上での偽・誤情報の流通の問題の顕在化といったICTを取り巻く環境の変化に対応するため、2022年11月から「ICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会11」及び12月から「青少年のICT活用のためのリテラシー向上に関するワーキンググループ」を開催し、これからのデジタル社会において求められるリテラシーの在り方やリテラシー向上施策の推進方策についての検討を進めている。2023年6月には、同検討会や同ワーキンググループにおける検討の結果を踏まえ、「ICT活用のためのリテラシー向上に関するロードマップ」を公表した。ロードマップでは、短期的又は中長期的に取り組むべき事項の方向性を整理しており、2023年度は短期的取組として、ICT活用のためのリテラシー向上に必要となる能力の整理や幅広い世代に共通する課題に対応した学習コンテンツの開発を実施した。2024年度は中長期的取組として、世代別(青少年層、保護者層、高齢者層)の特徴を踏まえた普及啓発教材等の開発を実施した。
安心・安全なインターネット利用に関する啓発を目的としたサイト「上手にネットと付き合おう!〜安心・安全なインターネット利用ガイド〜」12では、未就学児・未就学児の保護者、青少年、保護者・教職員、シニアに向けたコンテンツを掲載し、リテラシー向上に取り組んでいる。
偽・誤情報への対策としては、2024年度に、最新の事例や生成AIの影響等を踏まえて、啓発教育教材「インターネットとの向き合い方〜ニセ・誤情報にだまされないために〜」を改訂13した。
2025年には、プラットフォーム事業者、通信事業者、IT関連企業、関連団体との連携の下、官民連携プロジェクトとして「DIGITAL POSITIVE ACTION」を開始した。本プロジェクトでは、総務省と関連企業・団体と協働し、官民の取組を集約したWebサイトの開設や多様な広報活動等、更なるICTリテラシー向上に向けた取組を推進している。
なお、本プロジェクトのロゴ・スローガンは、国や企業・団体、そして国民一人一人が、「デジタル社会がポジティブな社会になるようなアクションを次々と起こしていく」という強い想いを伝える英語のスローガン、その想いに込められた意義を伝える「つくろう!守ろう!安心できる情報社会」という日本語のコピー、安心で楽しめる情報社会になり、人が幸せになっていく状態を象徴的に描いたマークの3点を掛け合わせたものを表現している(図表Ⅱ-2-6-1)。
11 「ICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_literacy/index.html
12 https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/
13 https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/