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第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第7節 ICT技術政策の動向

(2) Beyond 5Gの知財・標準化活動の推進

総務省では、革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業により、オール光ネットワーク技術をはじめとする重点技術分野の研究開発を推進するとともに、その成果の国際標準化を推進しており、基金事業による研究開発成果を戦略的に社会実装・海外展開しようとする企業の国際標準化活動に対して支援を行っている。

国際標準化活動において成果を得るためには、企業が国際標準化を自らの事業戦略の一部として位置づけ、経営層のコミットメントにより戦略的に標準化に取り組むことが求められる。そのため、総務省では、基金事業による企業の国際標準化活動の支援に当たり、「国際標準化活動支援要件」(2024年3月18日公表)を定め、それに基づき運用している。この支援要件は、情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会 革新的情報通信技術プロジェクト事業面評価等WGにおいて検討を行いとりまとめた「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業による国際標準化活動に対する支援の在り方について」(2024年3月8日公表)を踏まえ策定したもので、①事業戦略に基づいたトップマネジメントによる戦略的な活動体制、②事業戦略上の国際標準化の位置づけ、③国際標準化活動の具体性の3つを企業に求めている。2024年度には、「社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム(事業戦略支援型)」において採択された研究開発プロジェクトの実施者のうち9者を対象に、その国際標準化活動を支援した。

また、Beyond 5G時代に向け、企業の経営戦略の下で国際標準化・知財活動が戦略的に推進されることを目的に、2020年12月に「Beyond 5G新経営戦略センター」を立ち上げ、産学官が連携・協力して国際標準化・知財活動等をリードする人材育成、産業連携の推進、意識啓発、情報発信に係る各種活動を展開している。具体的には、次世代の企業経営等の中核を担う若手人材を対象とした組織・企業の枠を超えた研修活動「リーダーズフォーラム」や企業(特に経営・事業部門)向けの意識啓発・情報発信を目的とした「新ビジネス戦略セミナー」を実施するとともに、2023年度から情報通信・デジタルと多様な分野・産業との架け橋を担う新たな産業連携活動「XG Ignite」を実施している。

さらに、国際標準化活動を研究開発の初期段階から推進するため、信頼でき、かつ、シナジー効果も期待できる戦略的パートナーである国・地域の研究機関等との国際共同研究を実施している。具体的には、「日EUデジタルパートナーシップ(2022年5月)」を踏まえ、革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業「要素技術・シーズ創出型プログラム」において、2025年から、AIにより運用や制御を自律的に行う無線ネットワークに関する欧州委員会との国際共同研究を開始した。また、総務大臣とドイツの教育研究大臣との間でなされた協力趣意書への署名(2023年5月)及び第7回日独ICT政策対話(同年6月)を踏まえ、同プログラムにおいて、ドイツとのオール光ネットワークのデジタルツイン技術に関する国際共同研究を2025年より開始している。

2024年4月に次世代移動通信の推進体制を強化し、Beyond 5G技術の社会実装に向けた取組を一層促進することを目的に、「Beyond 5G推進コンソーシアム」と「第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)が統合され、「XGモバイル推進フォーラム(XGMF)」が設立された。XGMFでは、活動の一環としてBeyond 5Gの将来技術動向および利用シナリオを想定した検討を実施しており、これを踏まえ2024年12月に「Beyond 5Gホワイトペーパー4.0版」を公表している。

さらに、総務省は国内外の関係者間の連携強化を目的に、2024年10月、XGMF、電波産業会、東京大学とともに、CEATEC 2024において、5G/6Gスペシャルデーとして、「5G国際ワークショップ」、「ローカル5G国際ワークショップ」および「5G/6G国際カンファレンス」を開催した。

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