中南米では、2006年にブラジルで日本方式の地上デジタル放送(地デジ)の採用がされた後、14か国で日本方式が採用されており、現在も、各国のアナログ放送の停波に向けた取組を支援している。また、エルサルバドル、ニカラグア等の国々で日本方式の機能の一つである緊急警報放送システム(EWBS:Emergency Warning Broadcast System)を活用した防災ICTの導入支援を行った。
また、近年、総務省は、地上デジタル放送日本方式の採用により伝統的に良好な協力関係にある放送分野のみならず、幅広いICT分野での協力関係に深化させるため、中南米諸国とICT分野における協力覚書を締結してきており、直近では、2024年5月にパラグアイ情報通信技術省及び国家電気通信委員会、同年8月にコスタリカ科学技術・電気通信省、同年9月にコロンビア情報技術・通信省、2025年3月にブラジル通信省との間で、それぞれ協力覚書を締結した。
各国との協力覚書に基づく具体的な取組として、我が国の優れたICTを活用し社会課題を解決する取組を進めており、直近では、2024年度に、コロンビアにおいて我が国ICTを活用した早期地震検知・解析技術の導入可能性に係る調査を実施するとともに、ブラジルにおいて我が国メッシュWiFi技術を活用したICTソリューションの実証を行った。
また、日米の第三国連携として中南米各国に対して5Gのセミナーを行い、特にオープンでセキュアな5Gネットワーク構築の重要性を説明しているところ、2024年12月にはブラジルにおいて同国及び米国政府の共催によるオープンRANシンポジウムが開催され、総務省からも参加の上、我が国のオープンRAN推進に係る取組を説明した。加えて、本分野で優れた技術を有する日本企業の中南米への展開支援も行っており、2023年度には、ペルー及びブラジルでオープンRANによる5G環境の実証を行った。