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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか第1章 情報通信と成長を結ぶ経路
第1節 経済再生における情報通信の重要性
1 情報通信と経済成長との相関 まず、情報通信に関する各種指標と経済成長に関する各種指標の相関関係について、主に国際データを活用して統計的に検証する。 ●情報通信の競争力と経済成長との間には明確な相関が存在 各国の情報通信分野の実力を示す大まかな代理変数として、まず世界経済フォーラム(WEF)が2001年以降毎年公表し世界中で広く利用されているICT競争力指数(ネットワーク準備度指数)を利用し、経済成長に関係する各種指標との相関関係を示したものが、図表1-1-1-1である。左図は、ICT競争力指数と一人当たりGDPとの相関、右図は国際経営開発研究所(IMD)が毎年公表している世界競争力指数(国の中長期的な成長力を規定する要因を総合評価した指数とみなす)との相関である。いずれも相関関係の存在は明白で、情報通信分野の競争力が一国の経済成長と密接な関係を有することは疑いようがない。
図表1-1-1-1 ICT競争力指数と経済成長
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●情報化投資と経済成長との間にも明確な相関が存在 次に、情報通信の指標として情報化投資に注目した。OECD加盟国中19か国のICT投資額2に関するデータを利用し、情報化投資と経済成長との相関関係を示したものが、図表1-1-1-2である。左図は一人当たり名目GDPとICT投資比率(民間総投資額に占めるICT投資額の比率)の相関、右図は1988〜2004年における実質GDPの年平均成長率と同期間におけるICT投資額(実質)の年平均成長率との相関である。いずれも相関関係の存在は明白で、情報化投資の比率が高いほど国民一人一人が豊かであるとともに、経済成長率も高いという結果になっている。
図表1-1-1-2 ICT投資と経済成長の関係
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2 ここでのICT投資額は、information technology equipment(computers and related hardware)、communications equipment and software、softwareの3つを含んだものとなっている
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