平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦

(3)情報通信利用に対する規制や排除の動き

 このような事件・犯罪の増加や新技術等へのとまどいを背景に、情報通信の利用そのものを規制したり、排除する動きもみられるようになってきた。青少年の情報通信の利用に関しては、青少年をインターネット上の有害情報から保護することを目的とした「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が平成21年4月に施行され、民間における自主的かつ主体的な取組の尊重と青少年がインターネットを適切に活用する能力を習得すること等を基本理念に、青少年を保護するための環境整備を進めていくこととなった。また、学校教育における携帯電話の悪影響を懸念し、携帯電話の持ち込みを禁止する学校が増加しており、青少年に情報通信の適切な利用ルールを身につけさせるよりも、青少年を情報通信利用そのものから遠ざけるような動きも珍しくない状況となってきた。
 一方、平成21年6月の改正薬事法の施行に関連し、最も低いリスクに分類される「第3類」の医薬品を除く多くの大衆薬(風邪薬や頭痛薬等)について、ネット販売を含む通信販売を認めるべきか関係者の間で議論が続いている(平成21年5月時点)。ネット販売を行う事業者にとってはこのような規制の導入は死活問題であるが、民間の経済活動に大きな影響を及ぼすような規制の導入が検討されるほどの不安が、情報通信利用の普及に伴う利便性の影に隠れているとの認識が一部にあると考えられる。情報通信政策の観点からは、こうした規制や排除の動きが過度に広がらないよう、情報通信利用の長所を最大化するとともに短所を最小化するための取組に真しに取り組んでいく必要がある。

 第3節 Trust:安心してネットが使えるための「電縁」

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