平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦

(2)企業の情報通信利用に対する不安感の所在

●企業の不安が大きいのも「情報セキュリティ」「プライバシー」「違法・有害コンテンツ」の3分野
 (1)では国民の情報通信の利用に対する不安感を見たが、企業は情報通信の利用に対してどのような不安を抱えているのだろうか。情報通信の利用に対する課題について、国民利用者と同様に、10の分野と、企業にとっての代表的な課題を各分野3つずつ、計30課題について、企業に意識調査を行った5
 企業における情報通信の利用に対する不安感を見ると(図表3-3-2-3)、「情報セキュリティ」に対する不安が最も大きく、不安(「不安がある」「どちらかといえば不安がある」の合計)と回答した企業の割合は57.2%と6割近くに達した。「プライバシー(49.5%)」と「違法・有害コンテンツ(49.4%)」に対する不安も大きく、約半数の企業が不安を感じており、「情報セキュリティ」「プライバシー」「違法・有害コンテンツ」は、国民と同様に、企業にとっても不安感が特に強い課題であることが分かる。また、「ICT利用におけるマナーや社会秩序(44.3%)」や「情報リテラシー(37.5%)」に対する不安も大きい。
 
図表3-3-2-3 安心・安全10分野における企業の不安感
図表3-3-2-3 安心・安全10分野における企業の不安感
(出典)総務省「ユビキタスネット社会における安心・安全なICT利用に関する調査」(平成21年)
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 図表3-3-2-4は、具体的課題に対する不安感を示したものである。上位5課題のうち3課題が「情報セキュリティ」における課題である「ウイルス、ワーム、スパイウェア等への感染(66.2%)」「災害・テロ等に対する情報ネットワークの脆弱性(65.6%)」「不正アクセス(61.4%)」となっている。また、「違法・有害コンテンツ」「プライバシー」「情報リテラシー」といった、不安感の大きかった分野に対する不安が具体的課題で見ても大きいことが分かる。
 
図表3-3-2-4 具体的課題に対する企業の不安感(上位10課題)
図表3-3-2-4 具体的課題に対する企業の不安感(上位10課題)
(出典)総務省「ユビキタスネット社会における安心・安全なICT利用に関する調査」(平成21年)


5 日本国内の各産業分野・企業を対象とした郵送調査を行い、1,106社の回答を得た。調査概要は付注13の(1)を参照。なお、30課題については付注13の(2)を参照

 第3節 Trust:安心してネットが使えるための「電縁」

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