平成21年版 情報通信白書

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第1部 特集 日本復活になぜ情報通信が必要なのか

第3章 日本復活へ向けた3つの挑戦

1 情報通信利用に関する不安とその反応

(1)情報通信利用に関連する犯罪・事件の増加

●年々増加するサイバー犯罪
 インターネットや携帯電話等の急速な普及は、利用者である国民の利便性や企業の生産性の向上をもたらす一方で、情報通信の機器やサービスを利用することに対する不安も近年高まっている。
 図表3-3-1-1は、サイバー犯罪等の検挙件数等の推移を示したものである。サイバー犯罪は年々増加しており、過去5年間における検挙件数の推移をみると、平成20年中の検挙件数は6,321件と前年より15.5%増加し、過去5年間で約3倍になっている。また、サイバー犯罪に関する相談受理件数は年によって増減があるものの、「名誉毀損、誹謗中傷等に関する相談」が一貫して増加している傾向にある。昨今、ブログ記事等に対する批判や誹謗中傷等が多数寄せられ、ブログが機能不全に陥る「炎上」と呼ばれる現象が社会問題化し、平成21年3月には有名人のブログに虚偽の書き込みをした男女計7人が名誉毀損と脅迫の疑いで書類送検された事件が大きく報道された。
 
図表3-3-1-1 サイバー犯罪等の検挙件数等の推移
図表3-3-1-1 サイバー犯罪等の検挙件数等の推移
警察庁報道資料「平成20年中のサイバー犯罪の検挙状況等について」により作成

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●情報通信の利用が絡む社会的影響の大きい事件の増加
 社会的影響の大きい事件にインターネットや携帯電話の利用が絡むケースも増えている。平成20年4月には、簡易に硫化水素ガスを発生させて自殺をする方法をインターネット上で知った男性が自殺を図った事件を引き金に、類似の事件がその後連鎖的に発生した。また、平成20年6月には、秋葉原で起こった無差別殺傷事件において、犯人が電子掲示板上で殺害予告をしていたことが大きく報道された。一方で、プロフや出会い系サイトを通じた児童売春や、いわゆる「学校裏サイト」でのいじめ等、青少年が情報通信の利用を通じて事件やトラブルに巻き込まれるケースも少なくない(図表3-3-1-2)。
 
図表3-3-1-2 インターネットの利用が絡む最近の主な事件(代表例)
図表3-3-1-2 インターネットの利用が絡む最近の主な事件(代表例)
総務省まとめ

 第3節 Trust:安心してネットが使えるための「電縁」

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